結論から言うと、ギリシャでは travel eSIM を日本を出る前に購入・インストールしておくのが一番手間のかからない選択です。ギリシャの現地 SIM はプリペイドでも、2009 年の法律で身分データを渡すまで開通させてはいけないと決まっており、パスポートの提示が前提です。海外発行の travel eSIM はギリシャの事業者と契約を結ばないため、ギリシャ側の登録ステップがありません。注意点は 2 つ。2026 年 9 月にコスモテが「Telekom」へ改名し画面に TELEKOM.GR と出ること、そしてフェリーの船上では衛星回線につながると EU の料金上限が効かないことです。

ギリシャも、空港で SIM を買えば十分ですか?

買うこと自体はできます。ただギリシャの 2009 年の法律は、プリペイドでも身分データを受け取るまで事業者が回線を開通させることを禁じています。

スマホに見慣れない回線名が出ると不安です。

ドイツテレコムの発表によれば、2026 年 9 月にギリシャ最大手の通信ブランドが改名しました。表示が変わっても慌てなくて大丈夫です。

島めぐりのフェリーでも、ネットは使えますか?

EU の公式案内 Your Europe は、船上で衛星経由の通信につながると EU の料金ルールが適用されないと注意しています。海の上は別物です。

山火事のニュースも見たので、安全面が心配です。

外務省は 6〜9 月ごろの山火事に注意を呼びかけています。ギリシャ市民保護庁は、112 番が SIM なしの端末からでもかけられると案内しています。
この記事でわかること: ギリシャの法令 (法律 3783/2009 号)・欧州委員会の報告書と EU の公式案内・外務省・ギリシャ市民保護庁・現地の通信事業者と交通局・各 eSIM プロバイダの公開情報を 2026 年 10 月 6 日時点でたどり、私 sasapy がふだん海外の eSIM を選ぶときの判断軸で整理しました。答えるのは次の 6 点です。
- ギリシャの現地 SIM はパスポートを渡すまで開通しない理由と、travel eSIM にギリシャ側の登録ステップがない理由
- 画面の「TELEKOM.GR」は旧コスモテ——3 社の新しい名前と、3G 停波後の回線事情
- 島めぐりのフェリーで気をつけたい衛星ローミングと、スマホに入れておく乗船券
- Nomad (公式・円建て)・Saily と eSIM4Travel (eSIMDB 掲載) の容量別料金と、「無制限」の 1 日上限
- アテネの交通・配車アプリ・112 番と緊急速報など、スマホ前提の街歩きと安全対策
- 日本人の 90 日ビザなし、EES の現状、ETIAS がまだ動いていないこと
ギリシャの SIM は「パスポートが先」——travel eSIM はデータだけ
本ページの開示: 本ページにはアフィリエイトリンクが含まれており、ご利用に応じて当サイトに収益が発生する場合があります。価格・規制情報は 2026 年 10 月 6 日時点で、私 sasapy がギリシャの法令 (法律 3783/2009 号)・欧州委員会・外務省・ギリシャ市民保護庁・通信事業者 (Vodafone / Nova) 公式・アテネ交通局 (OASA)・各 eSIM プロバイダ公式ページ、および集計サイト eSIMDB から確認した値を主軸に整理しています。料金は変動が速いため、購入前に各社公式で最終確認してください。

eSIM でも、パスポートの登録は要りますか?

旅行者側の登録はありません。法律 3783/2009 号の本人確認義務は、加入者と契約を結ぶギリシャの事業者にかかる設計だからです。
ギリシャで携帯回線の本人確認を定めているのは、2009 年の法律 3783/2009 号です。第 1 条は目的を「プリペイドと契約の両方の利用者を、国家安全保障と重大犯罪の捜査のために特定すること」と書いています。中心になるのが第 3 条で、事業者は加入者と契約を結ぶ時点で身分データを求め、集め、保存しなければならず、3 項は「加入者が身分データを提供する前に、事業者が回線を開通させることは認められない」と明記しています。求められる書類は、第 2 条によれば身分証かパスポートの写し (外国人なら滞在許可証など同等の書類) です。
匿名のプリペイドは、すでに過去のものです。第 7 条の経過規定は、身分データのないプリペイド回線について2010 年 7 月 30 日以降はチャージ済みでも直ちにサービスを止めるよう事業者に命じました。2022 年の法律 4961/2022 号 第 101 条は書類を電子形式で出せるようにし、住所や連絡先を項目に加えましたが、義務そのものは変わっていません。古いガイドには「現地 SIM はパスポート登録が必要な場合がある」と書かれていることがありますが、正しくは「開通前に必ず必要」です。
外国人が現地 SIM を買うときの流れ
Vodafone の旅行者向けページは、ツーリスト向けプリペイドを有効なパスポートか身分証だけでオンライン注文できるとし、アテネ国際空港の Vodafone キオスク、Fraport が運営するギリシャ各地の空港、国内の Vodafone ショップでも買えると案内しています。Nova のデータ専用プリペイドは、公式ページによれば Nova の店舗で開通する仕組みです。どちらを選んでも、パスポートを渡して身分データを登録してからの開通になります。Telekom (旧コスモテ) のプリペイドは、調査時点で公式サイトの情報を確認できなかったため本記事では扱いません。
travel eSIM に登録が要らない理由 (と、その正確な言い方)
Saily・Nomad・eSIM4Travel の travel eSIM を買った旅行者が契約しているのはギリシャ国外の発行体で、現地では Vodafone や Nova などの電波にインバウンドローミングで乗る形です。ギリシャの事業者が旅行者と小売契約を結ばないので、第 3 条が想定する本人確認の場面がそもそも発生しません。ただし法律に「travel eSIM は免除」と書いた条文があるわけではありません。あくまで「義務が誰にかかるか」という適用範囲の話です。また travel eSIM はデータ専用なので、ギリシャの電話番号は付きません。
空港で SIM を買うかどうかには、もう 1 つ別の論点があります。外務省のギリシャ 安全対策基礎データは、空港や観光地で自称ギリシャ人などが「電話で日本人と話してほしい」と声をかけ、携帯 SIM の購入代や両替手数料として金銭援助を求め、返金しないという相談が複数寄せられていると書いています。到着前にデータを用意しておけば、少なくとも「SIM 代」を口実にした話に付き合う理由はなくなります。見知らぬ人にお金を渡さない、という基本はどの通信手段でも同じです。
周辺国も登録制度や回線事情は国ごとに違います。ブルガリアの eSIM ガイド、アルバニアの eSIM ガイド、そして EU 外のトルコの eSIM ガイドにもまとめていますので、周遊する方はあわせてどうぞ。
画面の「TELEKOM.GR」は旧コスモテ——3 社の新しい名前と回線事情

画面に TELEKOM.GR と出たら、どこの回線?

旧コスモテの回線です。ドイツテレコムの発表どおり、9 月 8 日に端末の表示が TELEKOM.GR へ切り替わりました。
ギリシャの移動体通信事業者は 3 社です。最大手のコスモテを傘下に持つ OTE グループについて、親会社のドイツテレコムは 2026 年 9 月 3 日の発表で、ブランドを「Telekom」に一本化し、スマホに表示されるネットワーク名も TELEKOM.GR に変わると説明しました。切り替えは 9 月 8 日に完了しました。もう 1 社の Nova は、自社の告知でも「NOVA (ex WIND)」と書いているとおり旧 WIND で、残る 1 社が Vodafone です。「コスモテ・Vodafone・WIND」と書いた記事は、2 社ぶん名前が古いと読み替えてください。
市場の大きさは、通信計測会社 Opensignal の 2026 年 9 月のレポートが、ギリシャの規制当局 EETT の 2026 年 2 月公表データとして紹介しています。2024 年末の移動体回線は 1,610 万で、シェアは Telekom 44.4%・Vodafone 34.1%・Nova 21.5%。安定した 3 社体制の市場です。
3G はすでに停波、2G は残っている
Nova の告知によると、同社の 3G は 2023 年 3 月末までに停止を終える計画で、CNN Greeceも 2023 年に 3 社の 3G が終わると報じました。つまりギリシャの 3G は 2023 年までに 3 社とも停波しています。一方で 2G は残っており、Opensignal は 2024 年にギリシャのユーザーが 2G につながっていた時間の割合が欧州でルクセンブルクに次いで高く、特に音声のフォールバックで使われていると書いています。データ専用の travel eSIM は 4G/5G で動くので影響はほぼありませんが、日本の SIM のままローミングで通話する場合、VoLTE ローミングに対応しない端末や契約だと 2G に落ちる可能性があります (どの海外 SIM が現地で VoLTE ローミングできるかの一次情報は見つかりませんでした)。
陸の 5G カバー率は EU 平均より上
欧州委員会のデジタルの 10 年 2026 年版 ギリシャ国別報告書 (2025 年データ) では、ギリシャの5G カバー率は 99.52%で EU 平均の 96.79% を上回り、人口のまばらな地域でも 99.12% です。報告書は 5G が「国全体に同じように整備されている」とも書いています。古いガイドにある「5G は大都市だけ、島や山は 4G 中心」という説明は、この数字とは合いません。ただしこれは人口・世帯ベースの指標で、外洋やフェリーの航路、山道のトレイルまでは測っていません。島ごとの電波状況を示す一次情報も見つからなかったため、本記事では島単位の評価はしません。
travel eSIM が乗る回線は、Nomad が自社のギリシャ eSIM ページで NOVA と Vodafone を明記しています (Telekom は記載なし)。eSIM4Travel は集計サイト eSIMDB の掲載でプラン名が「Greece (Cosmote,Vodafone,WIND)」と旧名のままですが、これは今の Telekom・Vodafone・Nova の 3 社にあたり、5G 表示があります。Saily は乗り入れ回線を確認できなかったため、本記事では書きません。
島めぐりのフェリーは「海の上」の通信に注意

フェリーの上でも、日本の SIM はそのままで平気?

乗船中はローミングを切るのが安全です。Your Europe は、衛星経由の船上通信には EU の料金上限がかからないと明記しています。
ギリシャ旅行で通信がいちばん読みにくいのは、陸ではなく海の上です。EU の公式案内 Your Europe の「モバイルローミング料金」は、船や飛行機の上でも港など陸上の携帯網につながっている間は追加料金なしで使えるとしたうえで、衛星システム経由でサービスが提供される場合は EU のルールが適用されず、料金の上限もないと書いています。そして余計な費用を避けるために、乗船中は端末のローミングを OFF にするか機内モードにするよう勧めています。
日本の SIM はもともと EU の事業者の SIM ではないので、陸上でも EU 域内の Roam Like At Home (国内料金のままのローミング) の対象外です。だからこそ、船内では日本の SIM のデータローミングを OFFにしておくのが私の習慣です。travel eSIM が船上の衛星ネットワークにつながるのか、つながった場合に別料金になるのかはプロバイダごとに違い、確認できる一次情報がありませんでした。島へ渡る予定がある方は、購入前に各社の規約を確認してください。
乗船券はスマホに入れておく
フェリー会社の Blue Star Ferries はウェブチェックインの案内で、出航の 48 時間前からウェブチェックインと電子乗船券が使え、電子乗船券はスマホの Wallet アプリなどに保存できると説明しています。乗船時は身分証明書 (パスポートなど) も一緒に示します。便の確認や乗船券の表示に、港で通信できる状態が役に立つわけです。
季節にも注意が要ります。中国外交部の領事サイトのギリシャ交通情報は、6〜9 月の観光シーズンには人気の島へアテネから毎日数便が出る一方、10 月〜4 月は路線も便数も大きく減ると書いています。外務省はギリシャでストライキが頻繁に起きることにも触れており、ドイツ外務省のギリシャ渡航情報は、ストライキの際は空・海・陸の交通に支障が出ると注意しています。秋から春に島へ渡るなら、前日と当日に運航情報を見直せるだけのデータ容量を見込んでおくと安心です。
使用容量別の eSIM 料金比較 (2026 年 10 月時点)

「無制限」プランなら、容量を気にせず使えますよね?

名前だけです。Nomad の公式ページでは 1 日 2GB を超えると速度が落ち、Saily や eSIM4Travel にも 1 日ごとの上限があります。
料金は情報源の確かさが社ごとに違うので、そこを分けて並べます。Nomad は公式ページの価格 (円建て、括弧内は同ページの米ドル表示)、Saily と eSIM4Travel は集計サイト eSIMDB の掲載価格 (米ドル)です。eSIMDB の更新日は Saily が 2026 年 10 月 4 日、eSIM4Travel が 2026 年 9 月 23 日です。Saily と eSIM4Travel は公式ページで価格を直接確認できなかったため、購入前に公式で確認してください。
容量別の価格一覧 (ギリシャ単国プラン)
| 容量 / 有効期間 | Nomad (公式) | Saily (eSIMDB による) | eSIM4Travel (eSIMDB による) |
|---|---|---|---|
| 1GB / 7 日 | ¥631 (US$4.00) | US$4.49 | US$1.13 |
| 3GB / 30 日 | ¥1,420 (US$9.00) | US$9.99 | US$2.61 |
| 5GB / 30 日 | ¥1,736 (US$11.00) | US$13.99 | US$4.00 |
| 10GB / 30 日 | ¥2,840 (US$18.00) | US$21.99 | US$7.45 |
| 20GB / 30 日 | ¥3,314 (US$21.00) | US$37.99 | US$13.74 |
| 50GB / 30 日 | ¥4,892 (US$31.00) | 単国プランの掲載なし | US$37.34 |
この表では、1GB〜20GB は eSIMDB 掲載の eSIM4Travel が最も安く、50GB だけは Nomad (US$31.00) が eSIM4Travel (US$37.34) より安いという並びです。「eSIM4Travel がいつでも最安」とは言えません。Nomad と Saily を米ドルで比べると、掲載のある 1GB〜20GB のすべてで Nomad のほうが安く、Saily は 3 社の中でいちばん高い価格帯です。なお提供元の公式ページで価格と回線の両方を確認できたのは Nomad だけです。
「無制限」プランの 1 日上限
| プロバイダ | 1 日あたりの高速枠 | 期間と価格の例 |
|---|---|---|
| Nomad (公式) | 2GB/日、超過後は低速化 | 3 日 ¥1,736 / 5 日 ¥2,840 / 7 日 ¥3,945 / 10 日 ¥5,207 |
| Saily (eSIMDB による) | 5GB/日、超過後は低速化 (5 日プランは実質停止) | 5 日 US$18.99 / 10 日 US$34.99 |
| eSIM4Travel (eSIMDB による) | 3GB/日、超過後は低速化 | 3 日 US$6.53 / 7 日 US$14.15 / 10 日 US$19.86 |
どの社も「無制限」は1 日ごとの高速枠つきです。eSIMDB も、Saily のギリシャ向けに本当の意味での無制限高速プランはないと書いています。動画を長時間見たりテザリングで PC 作業をしたりする日がなければ、容量プランのほうが総額を抑えやすい、というのが私の選び方の基準です。Nomad は購入から 60 日以内に有効化でき、ネットワークにつながった時点で自動的に開始します。
現地 SIM の価格 (参考)
比較のために現地 SIM も並べておきます (いずれも付加価値税 24% 込みの公式価格)。Vodafone の旅行者向けバンドルは、ギリシャ国内データ無制限+国内通話 200 分・30 日で €27 (EU のほかの国では 22GB まで。注文画面のカードには €30 と表示) と、25GB+通話 200 分・20 日で €18.10 (注文画面の表示は €20) の 2 種類。Nova のデータ専用プリペイドは15GB・60 日で €15で、追加は 10GB/30 日 €10・30GB/60 日 €25 です。データ量あたりの単価なら現地 SIM も十分に安いのですが、前述のとおりパスポートを渡して登録してからの開通で、番号が付く代わりに手続きの時間がかかります。Telekom (旧コスモテ) の価格は確認できなかったため載せていません。
クーポンコード一覧 (2026 年 10 月時点)
| プロバイダ | クーポンコード | 割引 | 備考 |
|---|---|---|---|
| Saily | CAIRNR6205 |
$5 OFF | 適用条件は Saily の規約で確認 |
| Nomad | ILEXBDNSXSBA |
$5 OFF | 適用条件は Nomad の規約で確認 |
| eSIM4Travel | 当サイト専用コードなし | なし | 表示価格のまま比較 |
クーポンには対象プランや最低利用金額、初回限定などの条件がつくことがあります。1GB プランのように $5 を下回る小さいプランでは割引がそのまま効かない場合もあるので、決済画面で割引後の金額を確かめてから購入してください。
推奨 eSIM 3 選——容量と「確かさ」で選び分ける
3 社は強みがはっきり分かれます。価格の安さを取るか、公式で確認できる情報の確かさと大容量を取るか、1 日の高速枠の大きさを取るかで選んでください。
eSIM4Travel——20GB までで価格を最優先するなら
eSIMDB の掲載 (2026 年 9 月 23 日更新) では、ギリシャ単国プランが 1GB/7 日 US$1.13 から。上の表では1GB〜20GB で最も安く、プラン名の旧称でいう 3 回線 (今の Telekom・Vodafone・Nova) に対応し 5G 表示もあります。一方で 50GB は US$37.34 で、Nomad より高くなります。当サイト専用のクーポンコードはありませんので、表示価格のまま判断してください。公式のギリシャ eSIM ページで、購入前に最新の価格を確認するのがおすすめです。
Nomad——公式の価格と回線で選びたい、大容量を使うなら
Nomad は今回の 3 社で唯一、公式ページで円建て価格と乗り入れ回線 (NOVA / Vodafone) を確認できるプロバイダです。1GB/7 日 ¥631 から 50GB/30 日 ¥4,892 まで。50GB では eSIM4Travel と Nomad のうち Nomad が安い (Saily は 50GB プランを掲載していません) ので、長期滞在やテザリングで仕事をする人に向きます。クーポンILEXBDNSXSBAで $5 OFF。料金はNomad のギリシャ eSIM ページで最新を確認してください。
Saily——1 日の高速枠を大きく取りたいなら
Saily は容量プランでは 3 社の中でいちばん高い価格帯 (eSIMDB 掲載で 1GB/7 日 US$4.49 から) ですが、「無制限」プランの1 日の高速枠が 5GB/日と 3 社で最も大きいのが特徴です。ただし 5 日プランは上限を超えると実質的に止まるので、使うなら 10 日以上のプランが前提になります。データ専用で電話番号・SMS は付きません。クーポンCAIRNR6205で $5 OFF。詳しくはSaily のギリシャ eSIM ページで確認できます。
出発前にやること——端末の確認と eSIM の設定
料金を比べる前に、まず手持ちの端末が eSIM に対応していて、SIM ロックが解除されているかを確認してください。Apple のサポート文書によると、eSIM に対応するのは iPhone XS・iPhone XS Max・iPhone XR 以降です。古いガイドの「iPhone 11 以降」は正確ではありません。一方で同じ文書は、中国本土向けの iPhone で eSIM に対応するのはごく一部の機種だけだと明記しており、海外で買った端末や中古品には例外があります。iPhone なら「設定」→「モバイル通信」に「eSIM を追加」が出るかどうかが確実な判定方法です。
インストールは日本の自宅 Wi-Fi で済ませるのが私の定番の段取りです。出発前に QR コードを読み取り、データローミングは OFF のままにしておき、ギリシャに着いてから eSIM 側のローミングを ON にします。iPhone は「設定」→「モバイル通信」→「eSIM を追加」、Android は「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」から追加できます。「モバイルデータ通信」だけを eSIM 側に切り替えれば、日本の番号での SMS 受信 (二段階認証など) も残せます。日本の通信会社の海外ローミング料金は、各社の案内で確認してください。
アテネの移動と緊急時——スマホが前提の安全レイヤ

アテネの地下鉄、切符を買うのに番号は要る?

要りません。アテネ交通局 OASA の Tap2Ride なら銀行カードをかざすだけで、90 分 €1.20、空港からの地下鉄は €9.00 です。
アテネの公共交通は、ギリシャの電話番号がなくても困りません。OASA のTap2Ride の案内は、物理カードでも Apple Pay・Google Pay のスマホやスマートウォッチでも、銀行カードをかざすだけで乗れると説明し、旅行者向けと明記しています。非接触決済の運賃は 90 分 €1.20・24 時間 €4.10・空港急行バス €5.50・空港発着の地下鉄 €9.00。二重課金を避けるため Athena カードとは離して持ち、毎回同じカードや端末でかざすのがコツです。空港往復込みの 3 日間ツーリストチケット €20.00 もOASA の料金表にあります。外務省は乗車時の刻印・タッチと、有効な乗車券がない場合の高額な罰金にも注意を促しています。
配車アプリも使えます。Uber のギリシャ版ページには、アテネ・テッサロニキに加えミコノス・サントリーニ・コルフ・パロス・ミロス・ナクソスなどの「Taxi」が並び、ギリシャの Uber はタクシーを呼ぶ形です。旧 Beat の FREENOW は Lyft の傘下に入り、Lyft の 2026 年 9 月の発表ではギリシャの 20 以上の夏の目的地で使えるようになったとされています。外務省によると、空港からアテネ中心部のタクシーは定額 €40、0〜5 時は €55 (2026 年 1 月現在)。メーターを確認し、領収書を受け取ってください。
112 番と緊急速報は「スマホの設定」で差が出る
ギリシャ市民保護庁の112 番の FAQによると、112 はSIM カードがなくても、ロックされた端末からでもかけられ、圏外でもその地域をカバーする別の事業者の網 (国内・国際ローミング) 経由で接続されます。発信者の位置を自動で伝える仕組みは、山や海、人里離れた場所での事故で特に役立つとしています。山火事や嵐の際には、ギリシャ語と英語の緊急速報 (セル・ブロードキャスト)が警報音つきで届きます。FAQ は 2019 年 12 月以降にギリシャで販売された端末では自動で有効になると書いており、ドイツ外務省も緊急速報の設定を有効にするよう勧めています。日本から持っていく端末は、出発前に「緊急速報」の設定を確認しておくと安心です。
観光省のアプリ mAiGreece は日本語を含む 31 言語に対応し、112 ボタンから位置情報つきの SMS を市民保護庁の運用センターへ送れます。SMS を送るには電話番号のある回線が要るので、データ専用の travel eSIM と併せて日本の SIM も有効にしておくのが無難です。外務省はギリシャの危険・スポット・広域情報で、2026 年 10 月 6 日時点で「現在、危険情報は出ておりません。」としていますが、安全対策基礎データではシンタグマ広場周辺がスリ被害の最も多いエリアとされ、バスや地下鉄、アクロポリス周辺でも注意が必要です。山火事は近年 6 月から 9 月ごろにかけて発生しています。
日本人のギリシャ入国——90 日ルール、EES、ETIAS

シェンゲンの新しい入国手続き、事前申請は必要?

外務省によれば EES は渡航前の手続きが不要で、国境で顔写真と指紋を登録するだけです。全面運用は 2026 年 4 月 10 日からです。
ギリシャは EU 加盟国で、シェンゲン協定の加盟国、通貨はユーロです。日本のパスポートではあらゆる 180 日間で最大 90 日までビザなしで滞在できます。外務省の安全対策基礎データによると、パスポートは出国予定日から 3 ヶ月以上の残存有効期間があり、発行から 10 年以内のものが必要です。出入国管理システム EES は 2025 年 10 月 12 日に段階的な導入が始まり (駐日ギリシャ大使館)、ポーランド政府の告知によれば 2026 年 4 月 10 日から全面運用されています。
よく話題になる ETIAS (手数料 €20) は、2026 年 10 月時点でまだ運用されていません。Euronews の報道では、予定していた 2026 年中の開始はもはや難しいと運営機関が認めたとされています。開始時期は未確定なので、渡航前に EU の公式サイトで最新状況を確認してください。支払いはカードがほぼどこでも使え、ドイツ外務省もキャッシュレス決済を勧めています。
よくある質問
ギリシャで travel eSIM を使うのに本人確認は必要ですか?
旅行者側の登録手続きはありません。法律 3783/2009 号の本人確認義務は、加入者と契約を結ぶギリシャの事業者にかかる設計で、海外の発行体から買う travel eSIM ではその場面が発生しないためです。ただし法律に免除規定があるわけではなく、Vodafone や Nova の SIM を現地で買う場合は、開通前にパスポートか身分証の提示が必要です。
スマホに「TELEKOM.GR」と表示されました。どこの回線ですか?
旧コスモテの回線です。親会社のドイツテレコムによると、2026 年 9 月にブランドが Telekom に統一され、端末のネットワーク表示も TELEKOM.GR に変わりました。旧 WIND は Nova という名前になっています。
フェリーの上で気をつけることはありますか?
衛星経由の船上通信には EU の料金上限が適用されないと Your Europe が案内しています。乗船中は日本の SIM のデータローミングを OFF にしてください。travel eSIM の船上での扱いはプロバイダの規約で確認が必要です。
ギリシャではまだ 3G が使えますか?
使えません。3 社とも 2023 年までに 3G を停止しました。現在は 4G/5G が主体で、2G は音声のフォールバック用に残っています。
「無制限」プランは本当に無制限ですか?
1 日ごとの高速枠があります。Nomad は 2GB/日 (公式)、Saily は 5GB/日、eSIM4Travel は 3GB/日 (いずれも eSIMDB による) で、超えると低速化します。
日本人はギリシャにビザなしで何日滞在できますか?
シェンゲン協定のルールで、あらゆる 180 日間で最大 90 日です。パスポートは出国予定日から 3 ヶ月以上の残存有効期間があり、発行から 10 年以内である必要があります。
ETIAS は今から準備が必要ですか?
2026 年 10 月時点で ETIAS はまだ運用されていません。2026 年中の開始は難しいと報じられているので、渡航前に EU の公式サイトで最新状況を確認するだけで十分です。
どの eSIM がギリシャでおすすめですか?
20GB までで価格最優先なら eSIM4Travel (eSIMDB 掲載で 1GB〜20GB 最安・当サイト専用クーポンなし)、公式で価格と回線を確かめたい人や 50GB の大容量なら Nomad (クーポンILEXBDNSXSBAで $5 OFF)、1 日の高速枠を大きく取りたいなら Saily (クーポンCAIRNR6205で $5 OFF) です。
まとめ——ギリシャ旅行に最適な eSIM の選び方
ギリシャでは「SIM を買う=パスポートが先、travel eSIM はデータだけ」と覚えておけば迷いません。陸の 5G は EU 平均より整っていて、気をつけるのは画面の新しい名前 TELEKOM.GR と、フェリーの船上での衛星ローミングくらいです。街では Tap2Ride や配車アプリが番号なしで使え、緊急時は 112 番と緊急速報がスマホに届きます。
- 20GB までで価格最優先: eSIM4Travel (eSIMDB 掲載で 1GB/7 日 US$1.13 から・当サイト専用クーポンなし)
- 公式の価格と回線で選ぶ・50GB の大容量: Nomad (1GB/7 日 ¥631 から・
ILEXBDNSXSBAで $5 OFF) - 1 日の高速枠を大きく: Saily (「無制限」は 5GB/日・
CAIRNR6205で $5 OFF) - 共通の前提: 端末の eSIM 対応と SIM ロック解除を確認し、乗船中は日本の SIM のローミングを OFF に
ほかの国の eSIM ガイドは cairnroam 日本語版のトップページ から探せます。記事の内容について気づいた点があれば お問い合わせフォーム からお知らせください。
参考文献
- TaxHeaven (法令データベース) — 法律 3783/2009 号 第 3 条 — 身分データ提供前の回線開通を禁止 (第 1・2・7 条もあわせて参照)
- TaxHeaven — 法律 4961/2022 号 第 101 条 — 身分証の電子提出を認め、住所・連絡先を追加
- Vodafone Greece — Stay Connected in Greece — パスポートか身分証で購入、空港キオスク、€27 / €18.10 のバンドル
- Nova — Mobile Internet on the go — データ専用 15GB/60 日 €15、店舗で開通
- Deutsche Telekom — COSMOTE TELEKOM becomes Telekom (2026-09-03) — 端末のネットワーク表示が TELEKOM.GR に
- 欧州委員会 — Digital Decade 2026 Country Report: Greece — 5G カバー率 99.52%、人口のまばらな地域 99.12%
- Opensignal — Greece, September 2026, Mobile Network Experience Report — EETT のシェア、3G 停波完了と 2G の残存
- Nova — Gradual 3G Network Shutdown — 3G は 2023 年 3 月末までに停止
- Your Europe — Mobile roaming costs — 衛星経由の船上通信は EU の料金上限の対象外
- Blue Star Ferries — WEB Check in / e-ticket — 出航 48 時間前からのウェブチェックインと電子乗船券
- ギリシャ市民保護庁 — 112 FAQ — SIM なしでも 112 に発信可、緊急速報 (セル・ブロードキャスト)
- ギリシャ観光省 — mAiGreece — 31 言語対応、112 ボタンで位置情報つき SMS
- OASA (アテネ交通局) — Contactless Payments with Bank Cards — Tap2Ride の運賃 90 分 €1.20・空港発着の地下鉄 €9.00
- 外務省 海外安全ホームページ — ギリシャ 安全対策基礎データ — 入国条件、EES、SIM 購入を口実にした金銭要求、空港タクシー料金
- 外務省 海外安全ホームページ — ギリシャ 危険・スポット・広域情報 — 2026 年 10 月 6 日時点で危険情報の発出なし
- ポーランド政府 — Entry/Exit System: full implementation from April 10th, 2026 — EES は 2026 年 4 月 10 日から全面運用
- Euronews — ETIAS after EES chaos (2026-07-08) — ETIAS の 2026 年中の開始は困難との報道
- Nomad — Greece eSIM (2026-10-06 時点) — NOVA / Vodafone 回線、1GB/7 日 ¥631 から
- eSIMDB — Saily Greece (2026-10-04 更新) — 1GB/7 日 US$4.49 から、「無制限」は 5GB/日
- eSIMDB — eSIM4Travel Greece (2026-09-23 更新) — 1GB/7 日 US$1.13 から、「無制限」は 3GB/日
最終更新日: 2026-10-06

