結論から言うと、ブルガリアの eSIM は 5G の速さではなく「4G でどこまで粘るか」で選ぶのが正解です。ブルガリアの 5G 自体は欧州屈指で、Opensignal の 2026 年 1 月レポートでは A1 の 5G ダウンロード速度が平均 343.9Mbps。ところが欧州委員会の Digital Decade 2025 レポート (2024 年データ) を見ると、5G の人口カバー率は 81.3% で EU 平均 94.3% を下回り、過疎地では 38.25%——EU 平均 79.57% の半分以下です。ソフィア中心の日程なら 5G の速さがそのまま効きますが、リラやバンスコ、プロヴディフ、黒海沿岸へ出るなら主役は 4G になります。私 (sasapy) が eSIM を回してきた感覚でも、ピーク速度より「薄いところで何に落ちるか」を見て買ったほうが後悔が少ない。ブルガリアは数字の上でその典型です。

ブルガリアの eSIM、何を基準に選べばいいですか?

まず数字を 1 つ。欧州委員会の Digital Decade 2025 では、ブルガリアの 5G 人口カバー率は 81.3% で EU 平均を下回っています。

えっ、5G は速いと聞いたんですが。

速さは本物です。Opensignal の 2026 年 1 月調査で A1 の 5G は 343.9Mbps。速さと届く範囲はまったく別の話なんです。

ソフィア以外の地方にも行く予定です。

そこが分かれ目ですね。同じ欧州委員会の報告では過疎地の 5G は 38.25%、EU 平均 79.57% の半分以下でした。

通信のほかに気をつけることはありますか?

お金です。2026 年 1 月にユーロを導入し、2 月からはユーロが唯一の法定通貨。レフ前提のガイドはもう古い情報になりました。
このページで分かること: 日本からブルガリアへ行く人が eSIM を決めるときに私 (sasapy) が先に確認しているのは、(1) 5G の速度は欧州屈指なのに人口カバー率 81.3%・過疎地 38.25% という「届く範囲」の弱さ、(2) EU では珍しく 3G がまだ生きているという事実と、A1 が地域ごとに停波を始めていること、(3) 2026 年 1 月のユーロ導入と、2026 年 8 月 8 日で終わった二重価格表示——レフ前提の情報が全部古くなったこと、(4) 外務省がブルガリアに危険情報・感染症危険情報・スポット情報のいずれも出していないこと、シェンゲン 90/180 とセルビア・トルコ・北マケドニア国境の生体認証、(5) ブルガリアの法律がプリペイド利用者の本人確認データ収集を事業者に義務づけていること、(6) Saily・eSIM4Travel・Nomad と現地 Vivacom の容量帯別の料金差、の 6 点です。欧州委員会と Opensignal、ブルガリア政府のユーロ導入公式サイト、電子通信法の英訳、日本の外務省、各社公式の公開資料で裏づける形で 1 本にまとめました。
- 5G は EU 屈指でも届く範囲は平均以下——ブルガリアの通信を数字で見る
- EU では珍しく 3G がまだ生きている——日本で消えた電波が残っている
- 2026 年からブルガリアはユーロの国——レフ前提の情報はすべて古い
- 入国・ビザ・渡航情報——外務省は危険情報を 1 つも出していない
- 現地 SIM はカウンターでパスポートが要る——ブルガリアの法律と travel eSIM の位置づけ
- 使用容量別の eSIM 料金比較 (2026 年 9 月 25 日時点)
- 推奨 eSIM 3 選——Saily / eSIM4Travel / Nomad の使い分け
- 渡航前の eSIM 設定と、ブルガリアでの現実的な備え
- よくある質問
- まとめ——ブルガリア旅行・出張に最適な eSIM の選び方
- 参考文献
5G は EU 屈指でも届く範囲は平均以下——ブルガリアの通信を数字で見る
本ページの開示: 本ページにはアフィリエイトリンクが含まれており、ご利用に応じて当サイトに収益が発生する場合があります。価格・規制情報は 2026 年 9 月 25 日時点のもので、私 sasapy が欧州委員会の Digital Decade 2025 country report、Opensignal のブルガリア版モバイル体験レポート (2026 年 1 月)、ブルガリア政府のユーロ導入公式サイト evroto.bg と欧州中央銀行、ブルガリア電子通信法の英訳、Vivacom 公式、日本の外務省、および各 eSIM 事業者と集計サイトの公開資料から確認した値を主軸に整理しています。料金も規制も変動が速いため、購入・出発前に各社公式と各国政府の最新情報で最終確認してください。

カバー率が低いと、地方では圏外ですか?

圏外ではなく 4G に落ちる、が正確です。欧州委員会の数字は 5G の話で、4G と一部 3G はその下に残っています。
ブルガリアの通信を語るとき、「速い」と「届く」を混ぜて書いている記事がとても多い。まずここを分けます。速度の一次資料は Opensignal のブルガリア版モバイル体験レポート (2026 年 1 月公開・測定期間は 2025 年 10 月 1 日〜12 月 29 日)、カバー率の一次資料は 欧州委員会の Bulgaria 2025 Digital Decade Country Report (2025 年 6 月 16 日公開・2024 年データ) です。この 2 つを重ねると、ブルガリアがどういう国かがはっきり見えてきます。
| 指標 (2024 年データ) | ブルガリア | EU 平均 |
|---|---|---|
| 5G 人口カバー率 | 81.3% | 94.3% |
| 過疎地の 5G カバー率 | 38.25% | 79.57% |
| 3.4〜3.8GHz 帯での 5G カバー率 | 81.33% | 67.72% |
| 光ファイバー (FTTP) カバー率 | 90.4% | 69.2% |
| 過疎地の FTTP カバー率 | 79.1% | 58.8% |
| 5G 対応 SIM の比率 | 24.41% | 35.56% |
読み方はこうです。ブルガリアは 固定回線ではっきり EU 平均を上回っている——光ファイバーは全国 90.4%、過疎地でも 79.1% で、どちらも EU 平均を大きく超えます。ところが 空中の整備は追いついていない。5G の人口カバー率 81.3% は EU 平均 94.3% に届かず、過疎地の 38.25% は EU 平均の半分以下です。欧州委員会は同じ報告で、ブルガリアが自国の 5G 計画 (2024 年の想定 91.0%) にも届いていないと書いています。地面は先に配線されたのに、空はまだ、という国なわけです。旅行者にとっての意味は単純で、都市部では 5G の恩恵を受けられるが、地方の日程は 4G 前提で組むべきということになります。
事業者別に見ると「速い A1・広い Vivacom・止まらない Yettel」
ブルガリアには A1 (A1 Telekom Austria グループ)、Yettel (無線網は別会社の CETIN Bulgaria が運用)、Vivacom (United Group 傘下) の 3 社があります。Opensignal の同レポートの主要数値を並べると、性格の違いがきれいに出ます。
| 指標 (2026 年 1 月レポート) | A1 | Vivacom | Yettel |
|---|---|---|---|
| ダウンロード速度体験 (Mbps) | 113.9 | 96.4 | 89.6 |
| 5G ダウンロード速度 (Mbps) | 343.9 | 296.7 | 271.7 |
| カバレッジ体験 (0〜10) | 7.1 | 7.5 | 7.1 |
| 5G カバレッジ体験 (0〜10) | 3.3 | 3.8 | 3.5 |
| 主な受賞 | 一貫品質 87.7%・速度 3 部門 (うちアップロードは Yettel と同着) | カバレッジ 2 部門・5G 滞在時間 26.3% | 接続時間 99.6%・5G 可用性 86%・信頼性 957 |
注目してほしいのは 5G カバレッジ体験が 3 社とも 10 点満点で 3 点台という点と、最も 5G に長く留まれる Vivacom でさえ 5G に接続している時間が全体の 26.3% にとどまるという点です。つまり 5G 対応端末と 5G 契約を持つ利用者でさえ、実際に 5G を掴んでいる時間は 3 社の最高値で 4 分の 1 程度。残りは 4G です。しかも上の表のとおり 5G 対応 SIM は全体の 24.41% しかないので、街を歩く端末の大半はそもそも 5G の土俵に乗っていません。表の「5G 可用性 86%」(Yettel) と「5G 滞在時間 26.3%」(Vivacom) は矛盾していません。Opensignal はどちらも 5G 対応端末と 5G 契約を持つ同じ利用者層を分母に測っており、前者は 5G が使える状態にあった時間の割合、後者は実際に 5G に接続していた時間の割合です。つながる余地があることと、実際にそこへ乗っていることの差だと読んでください。travel eSIM は複数の現地網にローミングで乗り入れる設計のものが多いので、「どの 1 社が速いか」より「薄いところで 4G に確実に落ちてくれるか」のほうが実利があります。ルートが決まっているなら、Vivacom が公開している対話型カバレッジマップのような各社の地図で、自分が泊まる町を先に確認しておくと安心材料になります。
EU では珍しく 3G がまだ生きている——日本で消えた電波が残っている

3G? 日本ではもう終わりましたよね。

はい。でもブルガリアは 3 社とも完全停波していません。A1 が 2024 年 12 月に一部地域で始めた段階です。
これはブルガリアを他の EU 諸国と分ける、かなり珍しい特徴です。ブルガリアの IT 専門メディア TechTrends BG が 2025 年 1 月 17 日に各社へ取材した記事によると、3 社の状況はこう分かれています。A1 は 2024 年 12 月からヴァルナ・キュステンディル・ペルニクの各地域で 3G の停波を開始したものの、全国での終了時期は明言していません。Yettel は「2027 年に 3G 完全停波への技術的準備が整う」という言い方をしています (原文は「през 2027 г.」= 2027 年に)。Vivacom は時期の確約を避け、3G のトラフィックは 5 年以内に 4G へ移るだろうとしつつ、近い時期の停波計画は持っていないとしています。同メディアの 2025 年 9 月 24 日の続報でも「3G がいつ完全に止まるのかは依然として不透明」という状況は変わっていません。なお 2G については、3 社とも eCall や 112、M2M、決済端末のために維持する方針です。
日本から行く人にとって、これは 2 つの意味を持ちます。1 つ目は 古めの端末でも意外と粘るということ。日本では 3G がすでに終了しているので、VoLTE 非対応の端末は国内で使い道がありません。ブルガリアでは 4G の外側にまだ 3G が残っている地域があり、電波が細るときの落ち先が 1 段多い状態です。2 つ目は その状態が地域ごとに削られている途中だということ。A1 の停波は公表されたスケジュール表に沿って進んでいるわけではなく、地域単位で進みます。なので「3G があるから古い端末でも大丈夫」とは書けません。あくまで「今はまだ落ち先が 1 段多い」という過渡期の話です。なお本記事で比較する travel eSIM はいずれもデータ専用が基本で、通話はアプリ経由になります。その使い方なら VoLTE 対応かどうかは論点になりません。
バンドは「欧州の標準形」——追いかけるべきはバンドより SIM ロック
LTE は 3 社とも B3 (1800MHz) を軸に、B1 (2100MHz) と B8 (900MHz) を併用しています。5G は Vivacom が 2020 年に 1800MHz と n78 (3.6GHz) で先行し、Yettel が 2021 年 6 月に n78 (3.5GHz) と n7 (2.6GHz) で商用化しました。さらに 3 社とも規制当局 CRC から 700MHz と 800MHz の免許 (15 年) を取得しており、B20 / n28 側も動いています。ここから導ける実務的な結論はシンプルで、B1 / B3 / B8 / B20 / B28 と n78 に対応した端末なら、日本で買ったスマートフォンでも問題になりにくいということ。ブルガリアで実際にひっかかるのは周波数ではなく、キャリアロックが解除されているかと eSIM に対応しているかの 2 点です。出発前に確認するのはバンド表ではなく、この 2 つで十分です。
2026 年からブルガリアはユーロの国——レフ前提の情報はすべて古い

両替はレフでしたよね? いくら持てば。

そこが更新点です。欧州中央銀行の公表どおり 2026 年 1 月 1 日にユーロ導入、2 月 1 日からはユーロだけが法定通貨です。
ブルガリアは 2026 年 1 月 1 日にユーロ圏の 21 番目の加盟国になりました。EU 理事会が 2025 年 7 月 8 日に最終決定を行い、固定された交換レートは 1 ユーロ = 1.95583 レフです(欧州中央銀行のブルガリア切替ページ)。レフとユーロが両方とも法定通貨だったのは導入後 1 か月の 2026 年 1 月 1 日〜1 月 31 日だけで、2026 年 2 月 1 日以降はユーロが唯一の法定通貨です。この時点で、2026 年より前に書かれた日本語のガイドブックやブログの通貨まわりの記述は、ほぼすべて古くなっています。
もう 1 つ、旅行の準備で効いてくる更新があります。レフとユーロを併記する二重価格表示の義務期間は 2026 年 8 月 8 日で終了しました(ブルガリア政府のユーロ導入公式サイト evroto.bg の告知)。つまり 2026 年 9 月に現地へ行っても、値札にレフが併記されている前提では考えないほうがいい。同サイトの市民向け FAQ には「導入から 12 か月」という一般的な書き方が残っていますが、日付入りの告知のほうが新しい情報です。過去の旅行で余らせたレフの紙幣・硬貨については、evroto.bg の FAQ のとおりブルガリア国立銀行が無期限・無制限・無料でユーロに交換してくれます。市中銀行や郵便局での交換は手数料が付く可能性があるので、量があるなら国立銀行が確実です。
決済端末では必ず「ユーロ建て」を選ぶ
日本のカードを持っていく人が損をしやすいのが DCC (自国通貨建て決済) です。店や ATM の端末で「円で支払いますか、ユーロで支払いますか」と聞かれたとき、円を選ぶと加盟店側が決めたレートで換算され、多くの場合カード会社のレートより不利になります。答えは常に 現地通貨 = ユーロ建てを選ぶです。EU ではこの点に規制があり、規則 (EU) 2019/518 によって、両替コストを 欧州中央銀行の参照レートに対する上乗せ率 (パーセント) として確定前に提示することが求められています。端末の画面にパーセント表示が出たら、それが上乗せ分です。見比べてからボタンを押す余裕を持ってください。なお現金については、ブルガリアでも都市部のカード決済は普通に通ります。ドイツ外務省は渡航情報のなかで「キャッシュレス決済を優先し、現金はその日に使う分だけ持つ」と明確に推奨しています。
入国・ビザ・渡航情報——外務省は危険情報を 1 つも出していない
日本のパスポートを持つ人は、シェンゲン圏での 180 日中 90 日までの滞在はビザ不要です。ブルガリアは空路・海路の域内国境検査が 2024 年 3 月 31 日に、陸路が 2025 年 1 月 1 日に撤廃され、正式にシェンゲン圏の一員になりました。この 90 日はブルガリア単独ではなくシェンゲン圏全体の合算なので、周遊するなら他国の滞在日数と足して数えてください。
渡航情報については、はっきり書けます。外務省海外安全ホームページのブルガリアのページを 2026 年 9 月 25 日に確認したところ、危険情報・感染症危険情報・スポット情報のいずれも出ていません。国別の注意喚起が 1 つも出ていない国というのは実はそれほど多くないので、この 1 行は素直に安心材料として受け取っていいと思います。もちろん一般的なスリや置き引きへの備えは他の欧州の都市と同じように必要です。
セルビア・トルコ・北マケドニア国境は EU の外側
見落としやすいのがここです。ブルガリアはシェンゲン圏ですが、セルビア・トルコ・北マケドニアとの陸路国境は EU の対外国境にあたり、域内移動とはまったく扱いが違います。この 3 か国側の国境では EES (入出国システム) による生体認証データの登録が行われます。EES はシェンゲン圏全体で 2025 年 10 月 12 日から段階的に導入が始まり、2026 年 4 月 10 日に完全運用へ移行しました (欧州委員会 DG HOME の説明ページ)。ソフィアから日帰りでトルコのイスタンブールへ、あるいは陸路でセルビアへ抜ける予定があるなら、国境での所要時間を通常より多めに見積もってください。なお ETIAS (渡航認証) については、欧州委員会の ETIAS 公式ページが 2026 年 9 月 25 日時点で開始日を公表していません。導入の数か月前に告知するとしているので、出発前にこのページを一度開いて、自分の渡航時点で要件になっているかだけ確認しておけば十分です。
現地 SIM はカウンターでパスポートが要る——ブルガリアの法律と travel eSIM の位置づけ

現地の SIM を買うのに身分証は要りますか?

要ります。Vivacom は公式 FAQ で身分証明書かパスポートの提示が必要と明記しています。法律上の根拠もあります。
ブルガリアは 法律でプリペイド利用者の本人確認データ収集を事業者に義務づけている国です。運輸通信省が公開している電子通信法の英訳 (2023 年 7 月版)を見ると、2009 年改正法の §80(1) が「2010 年 1 月 1 日以降、電子通信網・サービスを提供する事業者は、251i 条に規定するプリペイドサービスの利用者を特定するために必要なデータを収集する義務を負う」と定めています。何を記録するかは 251i 条 (5) 項 2 号にあり、プリペイドの移動体サービスについて「サービスの初回アクティベーションの日時、アクティベーションが行われたセルの識別子としての位置ラベル、およびエンドユーザーの識別情報」を挙げています。
さらにブルガリア独自の規定として、1 人が保有できるプリペイド番号は 10 回線までという上限があります。電子通信法 138d 条 (2016 年新設・2021 年改正) がそれで、テロ対策法の経過規定によって導入されたものです。EU 共通のルールではなく、ブルガリアが自国のテロ対策の文脈で置いた条文だという点が、この国を読むときのポイントになります。窓口での実際の運用については、Vivacom 自身のサポート FAQ が「有効な身分証明書——身分証カードまたはパスポートを提示する必要があります」と書いています。この FAQ はプリペイドとポストペイド、ブルガリア人と外国人を区別していません。現地 SIM を買うなら、パスポートを出す前提で行くのが確実です。
travel eSIM はブルガリアの契約ではない——ただし「免除」とは書けない
では海外発行の travel eSIM はどうなるのか。ここは条文を探すところではなく、ローミングという仕組みの帰結として理解するのが正確です。上に挙げた電子通信法の義務がかかるのは「ブルガリアで電子通信網・サービスを提供する事業者」です。Saily や eSIM4Travel、Nomad のプロファイルはブルガリア国外の事業者が発行するもので、あなたはその事業者の契約者のまま、A1・Yettel・Vivacom の電波にインバウンドローミングで乗り入れます。ブルガリア側で新規に加入者契約が結ばれないので、カウンターでの本人確認という工程にそもそも入っていきません。
ただし、ここから先の言い方には気をつけてください。「ブルガリアの法律が旅行者の eSIM を登録免除にしている」と書ける公的資料は、私が確認した範囲では見つかりませんでした。また travel eSIM を使うことが匿名性を意味するわけでもありません。発行元の事業者にはあなたの購入情報がありますし、ローミングである以上、ネットワーク側の記録が消えるわけでもない。正しい理解は「現地で契約しないから、現地の契約手続きが発生しない」——それ以上でも以下でもない、という一点です。実務上のメリットは、カウンターに並ばないことと、着陸直後から繋がっていること、そして 日本の電話番号と SMS 認証を残したままにできることの 3 つに集約されます。
使用容量別の eSIM 料金比較 (2026 年 9 月 25 日時点)

結局、いくらくらい見ておけばいいですか?

固定データ量なら 10GB/30 日で 7.6〜16 米ドルの幅です。出所の確かさが会社ごとに違うので、そこも表に書きました。
ブルガリア向け travel eSIM の表示価格を、容量帯別に整理しました。出所の確かさが会社ごとに違うので、そこは正直に分けて書きます。Saily は 同社のブルガリア向け公式ページを 2026 年 9 月 25 日に表示させ、掲載プラン表とページ内の構造化データの両方から読み取った一次情報です。一方 Nomad と eSIM4Travel は公式サイトが価格をブラウザ側で描画する作りのため直接取得できず、集計サイト esimdb の読み取り値を使っています (Nomad は 2026 年 9 月 20 日、eSIM4Travel は 2026 年 9 月 23 日時点の更新)。つまり前者は一次情報、後者は日付つきの二次情報という差があります。表の脚注にも入れておきます。
| 容量 / 有効期間 | Saily (公式確認 / USD) | eSIM4Travel (esimdb 09-23 / USD) | Nomad (esimdb 09-20 / USD) |
|---|---|---|---|
| 1 GB (7 日) | $1.99 | $1.38 | $4.50 |
| 3 GB (30 日) | $4.99 | $2.86 | $9.00 |
| 5 GB (30 日) | $6.99 | $4.23 | $12.50 |
| 10 GB (30 日) | $11.99 | $7.64 | $16.00 |
| 20 GB (30 日) | $19.99 | $14.46 | $20.00 |
| 50 GB (30 日) | 取扱なし | $39.24 | $45.00 |
| 出所 | 公式ページ (一次情報) | esimdb 2026-09-23 | esimdb 2026-09-20 |
無制限系も並べておきます。まず前提として、3 社とも「無制限」を名乗りますが、いずれも 1 日あたりの高速枠を持つフェアユース型です。同じ粒度で並べると、Saily は 1 日 5GB を超えると減速、eSIM4Travel は 1 日 3GB の高速枠を使い切ると 1Mbps、Nomad は 1 日 2GB を超えると 1Mbps。eSIM4Travel の絞り後の速度は、同社のブルガリア向けページと集計サイト esimdb の両方が 1Mbps と表示しています (2026 年 9 月 25 日確認)。減速後の速度は 1 Mbps 前後です (Saily のプランデータと集計サイト esimdb がいずれもこの値を示しています。ただし esimdb の 5 日プランの行だけ他と食い違うため、確定値ではなく目安として扱ってください)。日次の高速枠だけで見れば Saily 5GB > eSIM4Travel 3GB > Nomad 2GB の順です。
| 期間 | Saily 無制限 (5GB/日) | eSIM4Travel (3GB/日) | Nomad 無制限 (2GB/日) |
|---|---|---|---|
| 3 日 | 確認できず ※ | $6.96 | $11.00 |
| 5 日 | $18.99 | $11.05 | $18.00 |
| 7 日 | 確認できず ※ | $15.15 | $25.00 |
| 10 日 | $34.99 | $21.29 | $33.00 |
| 15 日 | $48.99 | $31.53 | 取扱なし |
| 30 日 | $71.99 | $62.23 | 取扱なし |
※ について: Saily の 3 日・7 日は、公式ページの構造化データに金額らしき値が含まれているものの、日数との対応を同社の表示から確認できず、集計サイト esimdb にもブルガリア向けの 3 日・7 日の無制限プランが掲載されていません。プランの存在自体を確認できないため、推定金額を載せるのはやめました。ほかの金額は公式ページ上の表示、または集計サイトの日付つきの読み取り値です。
この表の読みどころは 1 つです。無制限系も、3 社の金額が取れた期間はすべて eSIM4Travel が定価最安でした (Saily の 3 日・7 日は金額を確認できていないので、その 2 つは比較から外しています)。とくに 5 日 ($11.05) と 10 日 ($21.29) は、同じ期間の Nomad ($18.00 / $33.00) より 35〜39% 安く (5 日で 38.6%、10 日で 35.5%)、しかも 1 日あたりの高速枠は eSIM4Travel が 3GB で Nomad の 2GB より大きい。定価で比べるかぎり、この 2 つの期間で Nomad を選ぶ理由は価格にも高速枠にもありません。
クーポンと、割引後に順位がどう変わるか
- Saily: クーポン
CAIRNR6205で $5 OFF - Nomad: クーポン
ILEXBDNSXSBAで $5 OFF - eSIM4Travel: 現時点で当サイト経由の割引コードはありません
定価で見るかぎり、固定データ量のすべての帯域で eSIM4Travel が最も安いという結果です。ただしクーポンを入れると順位が動く帯域があります。5GB/30 日は Saily の $6.99 が $5 引きで $1.99 相当となり、eSIM4Travel の $4.23 を下回ります。10GB/30 日も Saily の $11.99 が $6.99 相当となって、eSIM4Travel の $7.64 をわずかに下回る計算です。一方 20GB/30 日は Saily が $14.99 相当にとどまり、eSIM4Travel の $14.46 のほうが依然として安い。Nomad は $5 引きを入れても、3GB 以上のどの固定データ帯域でも最安にはなりません。なお 1GB や 3GB のような少額プランは、クーポンの最低利用金額の条件に届かず対象外になることがあります。クーポンの適用可否は各社の規約次第なので、決済画面で実際に引かれるかどうかを見てから確定してください。
Saily の長期無制限は「ブルガリア限定」を買うと損をする
これはブルガリアに固有の、かなり非自明な買い方の話です。Saily のブルガリア限定プランと、35 か国をカバーするヨーロッパ周遊プランの無制限を並べると、20 日以上は表示価格が一致します。出所が違うので先に断っておくと、ブルガリア限定の列は 2026 年 9 月 25 日に Saily 公式ページで確認した一次情報、ヨーロッパ版の列は集計サイト esimdb の 2026 年 7 月 2 日更新時点の読み取りです。後者は約 12 週間前の値なので、同額という関係も「最後に確認できた時点ではそうだった」という意味で読んでください。
| 無制限の期間 | ブルガリア限定 (公式・09-25) | ヨーロッパ 35 か国 (esimdb 07-02) |
|---|---|---|
| 10 日 | $34.99 | $35.99 |
| 15 日 | $48.99 | $49.99 |
| 20 日 | $59.99 | $59.99 |
| 25 日 | $65.99 | $65.99 |
| 30 日 | $71.99 | $71.99 |
表示額が並ぶなら、使える国が 1 か国だけのプランより 35 か国のプランを取ったほうがいい。Saily で 20 日以上の無制限を買うなら、ブルガリア限定ではなくヨーロッパ版を選んでください (どちらも 1 日 5GB のソフトキャップ付きで、そこに差はありません)。陸路で繋がるルーマニア・ギリシャ・トルコはこの 35 か国に入っています。一方 セルビアは入っていません (esimdb が公開するカバー国リストに RS がなく、Saily では 121 か国のグローバル版の側に入ります)。セルビアへ抜ける日程なら、そこは別に手当てが要ります。ただし Saily の固定データ量では逆で、10GB/30 日はブルガリア限定の $11.99 に対しヨーロッパ版 (固定データ量は 34 か国) は $35.99 (esimdb・2026 年 7 月 2 日読み取り) と 3 倍。固定データ量を買うならブルガリア限定のほうが圧倒的に安い。ただしこれは Saily の値付けから言えることで、3 社に共通する法則ではありません。eSIM4Travel はブルガリア単国の 10GB/30 日が $7.64、41 か国のヨーロッパ版が $7.93 (いずれも esimdb・2026 年 9 月 25 日読み取り) とほぼ同額で、この会社なら固定データ量でもヨーロッパ版を取ったほうが得です。周遊プランのカバー国数は各社でも商品でも違う (Saily は無制限が 35 か国・固定データ量が 34 か国、eSIM4Travel は 41 か国) ので、同じ「ヨーロッパ版」として並べないでください。
現地プリペイドとの比較——1GB 単価では現地が勝つ
比較軸をもう 1 本足します。Vivacom のプリペイド Free2Go は、公式ページ上ですでにユーロ建てで価格を出しています (2026 年 9 月 25 日確認・付加価値税込み)。
| データ追加パック | 容量 | 有効期間 | 価格 |
|---|---|---|---|
| Data XS | 2,000 + 2,000 MB | 1 日 | €4.00 |
| Data S | 2,000 + 2,000 MB | 7 日 | €5.00 |
| Data M | 2,500 + 3,500 MB | 14 日 | €6.00 |
| Data L | 6,000 + 6,000 MB | 21 日 | €7.50 |
Data L は Vivacom 自身の書き方では 6,000 + 6,000 MB (同社ページはその両方を「最高速度で」と明記) で有効期間 21 日、€7.50。同じ 12,000MB が EU ローミングでも追加料金なしで使えるとも書かれています (単純に合算できない場合は同社が別の数字を併記しており、Data L では併記がありません)。合計 12GB として計算すると 1GB あたり €0.625。本記事の travel eSIM は米ドル建てなので、突き合わせ用に換算の目安を置きます——欧州中央銀行が公表した 2026 年 9 月 24 日の参照レートは 1 ユーロ = 1.1367 米ドルなので、€0.625/GB は $0.71/GB になります。同じ 1GB 単価で travel eSIM 側を並べると、eSIM4Travel が 20GB/30 日で $0.72、10GB/30 日で $0.76、50GB/30 日で $0.78。Saily と Nomad は 20GB でも $1.00、Saily の 10GB は $1.20、1GB は $1.99 です。つまり いちばん安い eSIM4Travel の 20GB とはほぼ横並び ($0.71 対 $0.72)、Saily と Nomad に対してははっきり安い、という関係になります。また Free2Go の基本パックには EU ローミング用に 10,600MB が付いており、周辺の EU 諸国へ出ても使えます。1GB 単価だけを追うなら現地プリペイドが最安。ただしその購入には、前の章で見たとおりカウンターでパスポートを出す工程が付いてきます。数百円の差と、到着直後に店を探して並ぶ時間。そこを天秤にかけるのが、ブルガリアでの正しい意思決定だと思います。
推奨 eSIM 3 選——Saily / eSIM4Travel / Nomad の使い分け

3 社のうち、私はどれを選べばいいですか?

定価なら固定も無制限も eSIM4Travel が最安、クーポン込みの 5〜10GB 帯は Saily、Nomad が勝つのは 3 日無制限だけです。
3 社は性格が違うので、日程とデータの使い方で分けるのが失敗しないコツです。ただしその前に、この記事の主張と推奨のあいだにある穴を先に埋めておきます。ここまで「4G でどこまで粘るか」で選べと書いてきましたが、接続先の網をどこまで開示しているかは 3 社で差があります。eSIM4Travel はブルガリア向けプランの名称自体が「Bulgaria (MobilTel, Telenor, Vivacom)」で、現地 3 社をそのまま並べています。Nomad は集計サイト esimdb 上で、ブルガリア向けプランの接続先が Vivacom と Yettel と表示されます (A1 が出てくるのは Nomad のヨーロッパ周遊・グローバル系プランのほうで、ブルガリア単国プランには付いていません)。一方 Saily はどの網に乗るのかを公表していません。ただし開示のある 2 社にしても、ある瞬間にどの網を掴むかまで約束されているわけではありません。だから網から逆算して選びたいなら、最後に効くのは eSIM 事業者の表記ではなく現地 3 社のカバレッジマップのほうです (前述の Vivacom の対話型カバレッジマップなど)。以下の 3 社比較は、価格・1 日あたりの高速枠・出所の確かさで並べたものだと思って読んでください。
eSIM4Travel——固定データ量も無制限も、定価ならこれが最安
固定データ量の全帯域で、定価の最安は eSIM4Travel です。1GB/7 日が $1.38、10GB/30 日で $7.64、20GB/30 日で $14.46。無制限系も金額を確認できた期間はすべて最安で、5 日 $11.05、10 日 $21.29、20 日 $41.76、30 日 $62.23 と、3 日から 30 日までどこを切っても他の 2 社より下です。割引コードを持たない状態で素直に安いので、「クーポンを探す手間をかけたくない」人には合います。購入から 90 日以内にアクティベートする必要があり、日次プランは初回接続から 24 時間単位で回って、1 日 3GB の高速枠を使い切ると 1Mbps に落ちます。ただし本記事の価格は同社公式ではなく集計サイト esimdb の 2026 年 9 月 23 日時点の読み取りなので、購入前に公式画面の金額を必ず見てください。
Saily——クーポンが通ったときの 5〜10GB 帯。20 日以上は「Saily のなかでなら」ヨーロッパ版
Saily は NordVPN を手がける Nord Security 系列の eSIM で、価格を公式ページで直接確認できた唯一の会社でした。クーポン CAIRNR6205 の $5 OFF を入れると、5GB/30 日と 10GB/30 日の帯域では 3 社で最も安くなる計算です。ただしこれはコードが実際に通った場合の話です。クーポンには最低利用金額などの条件が付くことがあり、$5 が引かれなければ 5GB/30 日は定価の $6.99 のまま、eSIM4Travel の $4.23 より高くつきます。決済画面で $5 が引かれたのを確認してから確定してください。定価のままの 1GB 単価は $1.00 (20GB) から $1.99 (1GB) までと幅があり、少量のプランほど割高になります。そして前述のとおり、20 日以上の無制限を買うならブルガリア限定ではなくヨーロッパ 35 か国版を選ぶこと。同額なので、周遊の自由度だけが増えます (どちらも 1 日 5GB を超えると減速するフェアユース型。減速後の速度はいずれも 1 Mbps 前後が目安です)。ただしこれは Saily のなかでの選び方で、同じ期間なら eSIM4Travel の無制限が 20 日 $41.76・25 日 $51.99 (esimdb・2026 年 9 月 25 日読み取り) と、Saily の $59.99・$65.99 より安く上がります。ほかに押さえておきたい仕様として、購入後 180 日の有効化猶予があり、初回接続時に自動でアクティベートされます (何もしなければ 180 日後に自動有効化)。ブルガリア向けプランはデータ専用で、電話番号・通話・SMS は別売りのアドオンです。
Nomad——定価では前に出ない。ひっくり返るのはクーポン込みの 3 日無制限だけ
Nomad は今回のブルガリアの表では価格の面で前に出ません。固定データ量は 1GB から 50GB までどの帯域でも 3 社中いちばん高く、クーポン ILEXBDNSXSBA の $5 OFF を入れても最安にはなりませんでした。無制限系も同じで、5 日は eSIM4Travel が $11.05 (Nomad $18.00)、10 日は $21.29 (同 $33.00)。定価で見ると eSIM4Travel のほうが 35〜39% 安く、1 日あたりの高速枠も Nomad 2GB に対して eSIM4Travel 3GB と負けています。念のため書き添えると、5 日・10 日は eSIM4Travel にも無制限プランがあります (esimdb に 5 日 $11.05・10 日 $21.29 として掲載)。それでも Nomad に触れる理由は 1 つだけあって、3 日の無制限です。定価は $11.00 で eSIM4Travel の $6.96 に負けていますが、$5 引きが通れば $6.00 相当となり、わずかに下回ります。逆転するのはクーポンが効いたときだけで、表の定価どうしでは Nomad が負けている点は押さえておいてください。ただしクーポンには最低利用金額の条件が付くことがあり、$11.00 の少額プランで適用されるとは限らないので、決済画面で実際に引かれるのを見てから確定してください。Nomad の価格も集計サイトの 2026 年 9 月 20 日時点の読み取りです。
渡航前の eSIM 設定と、ブルガリアでの現実的な備え
段取りはシンプルです。日本の自宅 Wi-Fi で購入と QR コードの読み取りまでを済ませ、データローミングは OFF のまま置いておきます。この状態なら課金は始まりません。ソフィア空港 (SOF) やヴァルナ (VAR)、ブルガス (BOJ) に着いて機内モードを解除し、ローミングを ON にすれば通信が始まります。iPhone は「設定」→「モバイル通信」→「eSIM を追加」→「QR コードを使用」で事業者発行の QR を読み取り、回線ラベル (例: 「Bulgaria」) を付けておくと管理が楽です。「デフォルト回線」は日本の物理 SIM のままにして「モバイルデータ通信」だけ eSIM 側に切り替えれば、日本の電話番号と SMS 認証を生かしたままデータだけブルガリア側で動きます。Android は「設定」→「ネットワーク」→「SIM」→「eSIM を追加」で同様です。
地方へ出る日は、オフライン地図を落としてから
この記事の主題をそのまま行動に落とすと、こうなります。過疎地の 5G が 38.25% という数字は、裏を返せば 地方では 4G 前提ということ。4G なら地図も検索もメッセージも十分に動きますが、谷筋や山あいで電波が細る場面は想定しておいたほうがいい。リラ修道院やバンスコ、ヴェリコタルノヴォのように日帰り・一泊で出る日程では、出発前に宿の Wi-Fi でオフライン地図と宿の住所・緊急連絡先を端末内に保存しておくと、それだけで不安がかなり減ります。なお緊急通報番号は EU 共通の 112 で、ブルガリア全土で使えます。
配車と公共交通——Bolt は動く、Uber は動かない
意外と間違って書かれているのがここです。Uber はブルガリアで営業していません。2015 年 7 月に競争保護委員会が 2 社の Uber 関連法人に合計 20 万レフの制裁金を科し、同年 9 月 28 日に最高行政裁判所がこれを支持、Uber は 2015 年 10 月にブルガリアでのサービスを停止しました。代わりに動いているのが Bolt で、ソフィアで配車アプリを使うならこれが基本の選択肢です。電動自転車とキックスクーター、フードデリバリーも同じアプリから使えます (同社のソフィア紹介ページで 2026 年 9 月 25 日に確認。ただしこのページのサービス一覧に並ぶのは Bolt Food と電動自転車・キックスクーターで、配車だけはサイト共通のメニュー側に置かれています)。タクシーについては、ドイツ外務省が「後部ドアのガラスに価格ステッカーの掲示が法律で義務づけられている」「日中は 1 単位あたり約 €0.75、夜間は約 €0.85 が相場」「リゾート地などで地域ごとに高い料金設定があるのは合法で、詐欺ではない」「すべてのタクシーにメーターがあるが、個別の事例でメーターが操作されていたことがある」と具体的に書いています。信頼できる会社はアプリを持っているので、そちらから呼ぶのが無難です。公共交通は、ソフィア市の都市モビリティセンターが運行データを公開しているため、Google マップや Moovit でバス・トロリーバス・トラム・地下鉄の乗り換え検索がそのまま使えます。
アプリの利用制限は「報告されていない」
ブルガリアは EU 加盟国で、EU のオープンインターネット規則の適用を受けます。欧州委員会の報告書にも、ブルガリアの規制当局 CRC の資料にも、メッセンジャー・地図・SNS・VPN といったアプリの遮断や検閲を示す記載は見当たりませんでした。つまり「使えないアプリを想定して代替を用意する」という準備は、ブルガリアについては必要ないと考えてよさそうです。ただしこれは特定のサービスの動作を保証するものではなく、EU とブルガリアの当局から制限の報告がない、という意味で受け取ってください。
あわせて読みたい: 欧州各国の travel eSIM 事情はcairnroam の国別ガイド一覧でまとめています。陸路で繋がる近隣国ではルーマニアの eSIM ガイド、セルビアの eSIM ガイド、トルコの eSIM ガイドも参考にしてください。
よくある質問
ブルガリアの 5G は速いのですか?
速度そのものは欧州でも上位です。Opensignal の 2026 年 1 月レポート (測定期間 2025 年 10 月〜12 月) では、A1 の 5G ダウンロードが 343.9Mbps、Vivacom が 296.7Mbps、Yettel が 271.7Mbps でした。ただし欧州委員会の Digital Decade 2025 レポートでは 5G の人口カバー率は 81.3% で EU 平均 94.3% を下回り、過疎地は 38.25% にとどまります。速度と到達範囲を分けて考えてください。
ブルガリアでは 3G はまだ使えますか?
2026 年 9 月時点で、3 社とも 3G を完全には停波していません。A1 は 2024 年 12 月からヴァルナ・キュステンディル・ペルニクなど一部地域で停波を開始しましたが全国の終了時期は未公表、Yettel は 2027 年に技術的準備が整うとしており、Vivacom は近い時期の停波計画を持っていないとしています。地域ごとに状況が変わる過渡期なので、「3G があるから古い端末でも大丈夫」とは言えない段階です。
ブルガリアの通貨はレフですか、ユーロですか?
ユーロです。ブルガリアは 2026 年 1 月 1 日にユーロ圏の 21 番目の加盟国になり、2026 年 2 月 1 日以降はユーロが唯一の法定通貨です。固定換算レートは 1 ユーロ = 1.95583 レフ。レフとユーロの二重価格表示の義務期間も 2026 年 8 月 8 日に終了しています。過去の旅行で余ったレフは、ブルガリア国立銀行が無期限・無制限・無料でユーロに交換してくれます。
日本人はブルガリアにビザなしで行けますか? 外務省の渡航情報は出ていますか?
日本のパスポートなら、シェンゲン圏での 180 日中 90 日までの滞在にビザは不要です。ブルガリアは 2025 年 1 月 1 日の陸路国境検査撤廃で完全にシェンゲン圏に入りました。外務省海外安全ホームページのブルガリアのページを 2026 年 9 月 25 日に確認した時点で、危険情報・感染症危険情報・スポット情報のいずれも出ていません。
ブルガリアで現地の SIM を買うのにパスポートは要りますか?
要る前提で行ってください。ブルガリアの電子通信法 §80 は、事業者にプリペイド利用者を特定するためのデータ収集を義務づけており、138d 条は 1 人あたりのプリペイド番号を 10 回線までに制限しています。Vivacom の公式 FAQ も、身分証カードまたはパスポートの提示が必要だと書いています。海外発行の travel eSIM はブルガリア国外の事業者との契約でローミング扱いになるため、この窓口の手続きには入りませんが、「法律が旅行者を免除している」わけでも、匿名になるわけでもありません。
ブルガリアでおすすめの eSIM はどれですか?
定価の安さで割り切るなら eSIM4Travel です。固定データ量 (1GB/7 日 $1.38、10GB/30 日 $7.64) だけでなく、無制限系も金額を確認できた期間はすべて最安でした (5 日 $11.05、10 日 $21.29、30 日 $62.23)。クーポン CAIRNR6205 の $5 OFF が通れば 5GB・10GB 帯は Saily が最も安くなりますが、コードには最低利用金額などの条件が付くことがあるので、決済画面で $5 が引かれたのを見てから確定してください (引かれなければ 5GB は Saily の $6.99 で、eSIM4Travel の $4.23 より高くなります)。Saily で 20 日以上の無制限を買う場合は、同額のヨーロッパ 35 か国版を選んでください (同じ期間なら eSIM4Travel の 20 日 $41.76・25 日 $51.99 のほうがさらに安上がりです)。Nomad (ILEXBDNSXSBA で $5 OFF) が前に出るのはクーポンが通ったときの 3 日無制限だけで、$6.00 相当と eSIM4Travel の $6.96 をわずかに下回ります。なお 3 社とも「無制限」は 1 日あたりの高速枠付き (Saily 5GB / eSIM4Travel 3GB / Nomad 2GB) です。1GB 単価だけなら現地 Vivacom の Free2Go Data L が €0.625/GB (約 $0.71/GB) で最安ですが、購入にはパスポートの提示が必要です。
まとめ——ブルガリア旅行・出張に最適な eSIM の選び方
ブルガリアの eSIM 選びは、5G の速さの数字を判断材料から一度外すところから始まります。A1 の 343.9Mbps は本物ですが、欧州委員会の集計では 5G の人口カバー率が 81.3%、過疎地では 38.25% で、5G 対応端末と 5G 契約を持つ利用者でさえ、実際に 5G に接続している時間は Opensignal の最高値で 26.3% にすぎません。地方へ出るなら 4G 前提、そして EU では珍しく 3G がまだ残っている——これがブルガリアの通信の実像です。そのうえで、2026 年からユーロの国になったこと、決済端末では必ずユーロ建てを選ぶこと、現地 SIM にはカウンターでのパスポート提示が付いてくることを押さえておけば、準備としては十分だと思います。
- 定価の安さで割り切るなら: eSIM4Travel (固定データ量の全帯域に加えて、無制限も金額を確認できた全期間で定価最安)
- クーポン込みの 5GB・10GB 帯: Saily (
CAIRNR6205で $5 OFF・最低利用金額の条件が付くことがあるので、決済画面で $5 が引かれるのを確認してから確定) - Saily で 20 日以上の無制限を買うなら: ヨーロッパ 35 か国版 (ブルガリア限定と同額。esimdb の 2026 年 7 月 2 日読み取りに基づく比較。ただし同じ期間は eSIM4Travel の 20 日 $41.76・25 日 $51.99 のほうが安い)
- 3 日の無制限をクーポン込みで最安にしたい場合: Nomad (
ILEXBDNSXSBAで $5 OFF・$6.00 相当。コードが通らなければ定価 $11.00 で、eSIM4Travel の $6.96 に負けます) - 1GB 単価を最優先するなら: 現地 Vivacom の Free2Go Data L (€0.625/GB ≒ $0.71/GB・ただしパスポート提示が必要)
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参考文献
- 欧州委員会 — Bulgaria 2025 Digital Decade Country Report (数値の原典は同報告の作業文書 PDF) — 2025 年 6 月 16 日公開・2024 年データ。5G 人口カバー率 81.3% (EU 平均 94.3%)、過疎地 38.25% (同 79.57%)、FTTP 90.4%、過疎地 FTTP 79.1%、5G 対応 SIM 24.41%
- Opensignal — Bulgaria Mobile Network Experience Report (2026 年 1 月) — 測定期間 2025 年 10 月 1 日〜12 月 29 日。A1 の 5G ダウンロード 343.9Mbps、Vivacom の 5G 滞在時間 26.3%、Yettel の接続時間 99.6%
- TechTrends BG — Идва ли краят на 3G в България — 2025 年 1 月 17 日。A1 が 2024 年 12 月に一部地域で 3G 停波開始、Yettel は 2027 年に技術的準備が整う見通し、Vivacom は近い時期の計画なし、2G は 3 社とも維持
- 欧州中央銀行 — ブルガリアのユーロ切替ページ — 2026 年 1 月 1 日にユーロ圏 21 番目の加盟国、固定レート 1 ユーロ = 1.95583 レフ
- evroto.bg — 二重価格表示の義務期間終了の告知 — ブルガリア政府のユーロ導入公式サイト。義務期間は 2026 年 8 月 8 日で終了
- evroto.bg — 市民向け FAQ — 2026 年 1 月 1 日〜1 月 31 日の二重流通、2 月 1 日以降はユーロが唯一の法定通貨、ブルガリア国立銀行でのレフの無期限・無料交換
- EUR-Lex — 規則 (EU) 2019/518 — 越境決済と通貨換算手数料。換算コストを欧州中央銀行の参照レートに対する上乗せ率として事前に提示する義務
- ブルガリア運輸通信省 — 電子通信法 英訳 (2023 年 7 月版) — §80(1) のプリペイド利用者特定データ収集義務、251i 条 (5) 項 2 号の記録項目、138d 条の 1 人 10 回線上限
- Vivacom — 契約時の必要書類に関する FAQ — 有効な身分証明書 (身分証カードまたはパスポート) の提示が必要。2026 年 9 月 25 日確認
- Vivacom — Free2Go プリペイド — ユーロ建て価格。Data L は 21 日 12GB で €7.50、基本パックに EU ローミング 10,600MB。2026 年 9 月 25 日確認
- 外務省海外安全ホームページ — ブルガリア 危険・スポット・広域情報 — 危険情報・感染症危険情報・スポット情報のいずれも発出なし。2026 年 9 月 25 日確認
- 欧州委員会 DG HOME — Bulgaria and Romania join the Schengen Area — 空路・海路は 2024 年 3 月 31 日、陸路は 2025 年 1 月 1 日に域内国境検査を撤廃
- 欧州委員会 DG HOME — Entry/Exit System (EES) — 2025 年 10 月 12 日から段階導入、2026 年 4 月 10 日に完全運用。2026 年 9 月 25 日確認
- EU 公式 — ETIAS — 開始日は未公表。導入の数か月前に告知される予定。2026 年 9 月 25 日確認
- 欧州中央銀行 — ユーロ参照為替レート (USD) — 2026 年 9 月 24 日の参照レート 1 ユーロ = 1.1367 米ドル。本記事のユーロ→米ドル換算はこの 1 本のみに基づく
- The Sofia Globe — Bulgaria’s competition protection commission fines two Uber firms 200 000 leva — 2015 年 7 月 6 日。競争保護委員会による合計 20 万レフの制裁金
- ドイツ外務省 — ブルガリア 安全情報 — タクシーの価格ステッカー掲示義務、日中約 €0.75・夜間約 €0.85 の相場、キャッシュレス優先の推奨。2026 年 9 月 25 日確認
- Saily — ブルガリア向け eSIM プラン — 1GB/7 日 $1.99、10GB/30 日 $11.99、無制限 (1 日 5GB のソフトキャップ) 20/25/30 日が $59.99/$65.99/$71.99。180 日の有効化猶予。2026 年 9 月 25 日に公式ページで確認
- esimdb — eSIM4Travel のブルガリア向けプラン — 2026 年 9 月 23 日更新・2026 年 9 月 25 日読み取り。1GB/7 日 $1.38、10GB/30 日 $7.64、20GB/30 日 $14.46。無制限 (1 日 3GB + 以降 1Mbps) は 3 日 $6.96 / 5 日 $11.05 / 7 日 $15.15 / 10 日 $21.29 / 15 日 $31.53 / 30 日 $62.23
- esimdb — Nomad のブルガリア向けプラン — 2026 年 9 月 20 日更新の読み取り値。10GB/30 日 $16.00、無制限 (1 日 2GB + 以降 1Mbps) 3 日 $11.00 / 5 日 $18.00 / 10 日 $33.00
- esimdb — Saily のヨーロッパ周遊プラン — 2026 年 7 月 2 日更新の読み取り値。無制限は 35 か国 (セルビアは含まれない) で 20/25/30 日がブルガリア限定と同額、固定データ量は 34 か国で 10GB/30 日 $35.99
- esimdb — eSIM4Travel のヨーロッパ周遊プラン (41 か国) — 2026 年 9 月 25 日読み取り。10GB/30 日 $7.93
最終更新日: 2026-09-25

