結論から言うと、オランダは「eSIM を手続きの回避のために買う国ではない」——現地プリペイド SIM は今も本人確認なしで買えるからです。それでも私 (sasapy) がアムステルダムに入るときは必ず eSIM を先に入れます。理由は 3 つで、(1) 店頭のカード決済のうちクレジットカードは 1% 未満という極端な「デビット+スマホ払い」の国で、店頭決済の 39% がスマホ / スマートウォッチ——つまり電池と電波が財布そのものになっていること、(2) 電車もトラムもバスも OVpay のタッチ乗車に統一され、乗り降りのたびに端末とアプリが要ること、(3) 3G を最後まで残していた Odido の停波が近く、VoLTE 非対応機は音声が死ぬこと。日本のキャリア回線は EU 域内ローミング (Roam Like At Home) の対象外なので、1〜3 週間の旅行・出張なら travel eSIM、1 ヶ月以上なら現地プリペイドが私の線引きです。

オランダって EU ですよね。SIM は現地で買えます?

買えます。しかもオランダは EU の中では珍しく、プリペイド SIM に本人確認義務が無い側の国なんです。

じゃあ eSIM を買う意味は薄いのでは?

手続きの面では薄いです。ただ中央銀行の集計だと店頭決済の 39% がスマホ払いで、通信が切れると支払いごと止まります。

現金を持てば済む話じゃないですか?

それが通じにくい国で、現金は 17% まで下がり、クレジットカードに至っては 1% 未満。カードとスマホ前提の設計です。

電波はよく入るんですよね?

平地で人口密度が高いので良好です。ただ 5G の 3.5GHz 帯は 2024 年にやっと競売された遅れ組で、期待値は調整が要ります。
このページで分かること: 日本人がオランダで eSIM を使うときに私 (sasapy) が先に確認しているのは、(1) オランダが EU 域内ローミングの対象国でありながら日本の回線には一切適用されないという前提、(2) プリペイド SIM の本人確認義務が無い国で eSIM を選ぶ理由はどこにあるのか、(3) 店頭決済のクレジットカード比率 1% 未満・スマホ払い 39% という決済文化と、通信が止まったときの実害、(4) 全国共通の OVpay タッチ乗車と、チェックアウト忘れという典型的な事故、(5) KPN / Vodafone / Odido の 3 社体制と最後の 3G 停波・VoLTE 必須という端末条件、(6) 3.5GHz (n78) の競売が 2024 年までずれ込んだ経緯と、「5G 対応」表記の読み方、(7) 容量別の実売価格 (クーポン適用後)、(8) 英国行きフェリー・ユーロスターという「EU 圏外に出てしまう」罠と EES——の 8 点です。
- オランダは「SIM 登録が要らない EU 国」——それでも eSIM を選ぶ理由
- 店頭のクレジットカードは 1% 未満——スマホが財布になっている国
- 電車もトラムも「タッチ乗車」——OVpay とチェックアウト忘れ
- KPN / Vodafone / Odido——最後の 3G 停波と VoLTE 必須の話
- オランダの 5G は「遅れて始まった」——3.5GHz 競売 2024 年の意味
- 使用容量別の eSIM 料金比較 (2026 年 8 月時点・代表値)
- 推奨 eSIM 3 選——Saily / Nomad / esim4travel の使い分け
- オランダ入国前の eSIM 設定手順 (iPhone / Android)
- EES・英国行きフェリー——「EU 圏外に出てしまう」罠
- よくある質問
- まとめ——オランダ旅行・出張に最適な eSIM の選び方
- 参考文献
オランダは「SIM 登録が要らない EU 国」——それでも eSIM を選ぶ理由
本ページの開示: 本ページにはアフィリエイトリンクが含まれており、ご利用に応じて当サイトに収益が発生する場合があります。価格・制度情報は 2026 年 8 月時点で、私 sasapy がオランダ中央銀行 (DNB)・オランダ決済協会・消費者市場庁 (ACM)・デジタルインフラ監督庁 (RDI)・オランダ鉄道 (NS)・王立オランダ国境警備隊・Odido / KPN 各社公式などの公開資料から確認した値を主軸に整理しています。料金は変動が速いため、購入前に各社公式で最終確認してください。

EU なら日本の回線もローミング無料になりませんか?

なりません。域内ローミングが効くのは EU/EEA で契約した回線だけで、日本の契約は通常の国際ローミング扱いです。
まず前提を揃えます。オランダは EU の原加盟国、ユーロ導入国、シェンゲン協定の原署名国という「制度的にど真ん中」の国です。したがって EU の域内ローミング規則 (Roam Like At Home)が適用され、ドイツやベルギーで契約した SIM はオランダでも自国と同じ料金で使えます。しかし日本のキャリア回線はこの制度の外側です。オランダが EU であることは、日本から行く人の通信費にとっては何の恩恵にもなりません。ここを混同したまま「EU だから大丈夫」と出発する人が毎年います。
オランダには「プリペイド SIM の本人確認義務」が無い
そのうえで、この記事では最初に正直な前提を置きます。ラトビアやトルコのように「現地 SIM を買うと本人確認が要るから eSIM が楽」という論法は、オランダでは使えません。オランダは EU の中でも、デンマーク・エストニア・フィンランド・アイルランド・ポルトガル・スウェーデンなどと並んでプリペイド SIM の登録義務を法定していない側の国です。スキポール空港の売店やスーパー (Albert Heijn)、電器店で、パスポートを出さずにプリペイド SIM を買えます。つまり「手続きが面倒だから eSIM」という理由は、オランダに限っては弱い。ここを盛って書く記事は信用しないでください。
では何のために eSIM を入れるのか。私の答えは「オランダは、通信が止まると生活のインフラが同時に止まる国だから」です。支払いも、電車もトラムも、駐車場も、レストランの予約も、この国ではスマホがオンラインである前提で設計されています。SIM を買いに行く 30 分より、着陸した瞬間からオンラインであることのほうが価値が大きい——オランダはその差が最も大きく出る国のひとつです。次の H2 で、その根拠になる数字を見ます。
店頭のクレジットカードは 1% 未満——スマホが財布になっている国

クレジットカードが使えないってどういうことですか?

中央銀行の集計で、店頭決済に占めるクレジットカードは 1% 未満。国民はデビットの「pinnen」で払う文化なんです。
オランダの決済は、日本人の想像とかなり違います。オランダ中央銀行 (De Nederlandsche Bank) とオランダ決済協会 (Betaalvereniging Nederland) の 2025 年集計によれば、店頭 (POS) での支払いは年間 71 億件・総額 1,850 億ユーロ。その内訳は次のとおりです。
- カード決済 83% (前年 80% から上昇)。そのほとんどがデビットカードで、オランダ語で「pinnen (ピンする)」と呼ばれます。
- 現金 17% (前年から 2 ポイント減)。減り続けています。
- クレジットカード 1% 未満。これは誤植ではありません。オランダの店頭でクレジットカードは事実上「例外的な決済手段」です。
- デビット決済の 95% が非接触 (タッチ)。差し込んで暗証番号、という光景自体が少数派になりました。
- 店頭決済の 39% がスマホ / スマートウォッチ (前年 34% から上昇)。ここが本記事で最も重要な数字です。
「店頭決済の 4 割弱がスマホ」という国では、スマホの電池と通信が財布の残高と同じ意味を持ちます。Apple Pay / Google Pay のタッチ決済自体はオフラインでも通ることが多いのですが、問題はその手前です。店を探すのも、営業時間を確認するのも、レストランのテーブル QR からメニューを開くのも、駐車場の課金を止めるのも、すべて通信が要ります。オランダで通信を失うと、「地図が見られない」ではなく「その日の行動計画ごと止まる」という感覚に近い。
日本人が具体的に困る 3 パターン
- クレジットカードしか持っていない: マーケットの屋台や小規模店では、Visa / Mastercard のデビットやタッチ決済は通るのにクレジットカードは断られる、あるいは手数料を上乗せされることがあります。タッチ決済対応の Visa / Mastercard を最低 2 枚、できればスマホウォレットにも登録して持ちましょう。
- American Express を主力にしている: オランダでは加盟店が明確に少なく、とくに公共交通の OVpay では Amex は一切使えません。Amex 一本の旅程は組めません。
- 現金主義で入国する: 現金お断り (pin only) の店・美術館・カフェは珍しくありません。現金は「使えたら使う」程度の位置づけで、主力にはできません。
オンライン決済では iDEAL がほぼ標準ですが、これはオランダの銀行口座を持つ人向けの仕組みで、旅行者は基本的に使えません。iDEAL しか受け付けないサイト (一部のチケット販売やパーキング) に当たったら、現地で使えるカード決済の窓口を探すか、代替の予約経路を取ると割り切ってください。
電車もトラムも「タッチ乗車」——OVpay とチェックアウト忘れ

交通系のカードを買わなくていいんですか?

要りません。全国共通の OVpay で、手持ちのタッチ決済カードかスマホをそのままかざせば乗れます。
オランダの公共交通は OVpay という全国共通の仕組みに移行済みで、OVpay 公式 と オランダ鉄道 (NS) 公式が案内しているとおり、Visa / Mastercard の非接触カード、Apple Pay / Google Pay をそのままかざすだけで乗れます。旧来の OV-chipkaart を買う必要はありません。鉄道 (NS)、アムステルダムの GVB (トラム・メトロ・バス)、ロッテルダムの RET、地方バスまで、同じ動作で通ります。
- 乗るときと降りるときの両方でタッチするのが絶対条件です (チェックイン / チェックアウト)。
- チェックアウトを忘れると最大運賃が引き落とされます。鉄道では 1 回あたり数十ユーロ規模になり得ます。これがオランダ旅行で最も多い「予期しない出費」です。
- American Express は使えません。Visa / Mastercard の非接触カードかスマホウォレットを用意してください。
- 同じカードで複数人ぶんは払えません。人数分の異なるカード / 端末が必要です。家族旅行では特に注意。
- 旅程や引き落としの確認は OVpay のアプリ / Web から行います——つまりここでも通信が要ります。
自転車も同じで、オランダは世界有数の自転車国ですが、レンタル自転車 (OV-fiets や街のシェアサイクル) の解錠・返却はアプリ経由が基本です。運河沿いのナビゲーションをスマホでやりながら走る前提なら、データ通信が切れないこと自体が安全に直結します。オフライン地図のダウンロードは、通信の有無にかかわらず出発前に済ませておくのが賢明です。
KPN / Vodafone / Odido——最後の 3G 停波と VoLTE 必須の話

どの会社の電波を掴むんですか?

KPN・VodafoneZiggo・Odido の 3 社です。travel eSIM は通常このどれかにローミング接続されます。
オランダの移動体は KPN、VodafoneZiggo (Vodafone)、Odido の 3 社体制です。Odido は旧 T-Mobile Netherlands が 2023 年に改称したブランドで、2019 年に Tele2 Nederland を統合しています。この 3 社の下に Simpel、Ben、hollandsnieuwe、Lebara、Simyo といったMVNO がぶら下がる構造で、travel eSIM も結局はこの 3 つの物理ネットワークのどれかに載ります。国土が平坦で人口密度が高く、都市が短い距離で連なっているため、カバレッジは欧州でもトップクラスに安定しています。山岳国のような「谷で圏外」はほぼ起きません。
3G はもう当てにできない——VoLTE は必ずオンに
端末側で確認すべき最重要ポイントがこれです。オランダの 3G は Vodafone が 2020 年に、KPN が 2022 年に停波し、最後まで 3G を残していたのが Odido でした。Odido 公式の案内によれば、3G の提供は少なくとも 2026 年 8 月 1 日までは維持される予定でしたが、その後停波はさらに先送りされ、新しい期日はまだ公表されていません。同社は実際の停波日を最低 6 ヶ月前に告知すると約束しています。
Odido のニュースルームが説明しているとおり、狙いは 3G に割いていた周波数を 4G / 5G に回して容量を増やすことです。旅行者にとっての意味は単純で、「3G にしか対応しない端末」「VoLTE 非対応の端末」はオランダで音声が使えなくなる——しかもその日は、6 ヶ月の予告期間を挟んで、いつ来てもおかしくない。日本から持ち込む端末は、出発前に設定から VoLTE (4G 通話 / LTE で通話) をオンにしてください。データ通信だけなら 4G / 5G で問題ありませんが、緊急通報や宿への電話が必要になったときに効いてきます。
対応バンドは、4G が B3 (1800MHz) / B7 (2600MHz) / B20 (800MHz) / B1 (2100MHz)、5G が n28 (700MHz) と n78 (3500MHz) が中心です。日本で売られている SIM フリー機や大手キャリア版のほとんどはこの範囲をカバーしていますが、格安の海外向けモデルを持ち込む場合は B20 と B3 の対応だけ確認しておくと安心です。
オランダの 5G は「遅れて始まった」——3.5GHz 競売 2024 年の意味

5G 対応と書いてあるプランなら速いんですよね?

そこは慎重に。オランダは 3.5GHz 帯の競売が 2024 年までずれ込んだ国で、体感は周波数次第なんです。
「5G 対応」という表記を額面どおりに受け取らないほうがいい国、というのがオランダのもう一つの顔です。デジタルインフラ監督庁 (RDI) の 3.5GHz 競売ページによれば、5G の主力帯である 3450〜3750MHz の競売が実施されたのは 2024 年 6〜7 月で、免許の有効期限は 2040 年 12 月 31 日まで。KPN・Odido・VodafoneZiggo の 3 社がそれぞれ 100MHz 前後を取得し、落札総額は約 1 億 7,440 万ユーロでした。
なぜ 2024 年まで遅れたのか。理由は通信政策としてかなり特殊で、オランダ北部フリースラント州ブルムにあった海事衛星通信の地上局が同じ 3.5GHz 帯を使っており、海難救助用の通信を止められなかったためです。事業者側との交渉は長期化し、最終的に地上局をギリシャへ移設することで決着しました。結果として、オランダは西欧で最も遅く 3.5GHz 帯の 5G を開始した国のひとつになりました。
旅行者としての実務的な結論はこうです。「5G」と書いてあるかどうかより、実際に掴む周波数と、その場所の基地局密度のほうが体感を決めます。アムステルダム、ロッテルダム、ユトレヒト、ハーグの中心部では n78 の高速な 5G を掴めますが、地方や住宅地では 700MHz (n28) の 5G、あるいは 4G が主力です。とはいえ 4G が非常に安定した国なので、地図・SNS・ビデオ通話・テザリングなら 4G で十分実用的です。「5G 対応」を理由に高いプランを選ぶ必要は、オランダに限ってはほぼありません。
消費者市場庁 (ACM) のテレコムモニター 2025 年第 4 四半期によれば、オランダのモバイル回線数は 2,580 万件、四半期のモバイルデータ通信量は 8 億 2,900 万 GB——1 回線あたり四半期 32GB、月換算で約 10.7GB という水準です。総量は 2022 年の 16 億 GB から 2025 年には約 30 億 GB へと、3 年でほぼ倍増しました。人口約 1,800 万人の国で回線数が 2,580 万——1 人 1 回線を大きく超えている点も含め、「全員が常時つながっている」ことを前提に社会が設計されていることがよく分かります。
使用容量別の eSIM 料金比較 (2026 年 8 月時点・代表値)
オランダ向けに travel eSIM を選ぶときの、Saily / Nomad / esim4travel の定価とクーポン適用後の実売価格です。オランダ単独プランのほか、ヨーロッパ地域プランでカバーされるケースが非常に多い国なので、ベネルクス周遊やドイツ・ベルギー・フランスへ足を伸ばす旅程なら、購入時は対象国一覧に Netherlands が含まれているかを必ず確認してください。
データ容量プラン詳細 (定価 → クーポン後)
| 容量 / 有効期間 | Saily | Nomad | esim4travel (代表値) |
|---|---|---|---|
| 1 GB (7日) | $3.99 ※クーポン対象外 | $4.50 ※クーポン対象外 | $4.50 → $4.05 |
| 3 GB (30日) | $11.99 → $6.99 | $12.00 → $7.00 | $9.99 → $8.99 |
| 5 GB (30日) | $18.99 → $13.99 | $17.00 → $12.00 | $15.99 → $14.39 |
| 10 GB (30日) | $30.99 → $25.99 | $26.00 → $21.00 | $24.99 → $22.49 |
| 20 GB (30日) | $49.99 → $44.99 | $44.00 → $39.00 | $39.99 → $35.99 |
「定価 $X → クーポン後 $Y」表記の太字 $Y が実際の購入価格です。「※クーポン対象外」は定価が各社の最低クーポン利用金額に満たないケースを指します。いずれもオランダ単独 or ヨーロッパ地域プランの代表値で、実際の在庫・価格は各社公式が優先します。参考として、オランダの現地プリペイド SIM はスターターパックが €10 前後、月 10GB 級のバンドルでも十数ユーロという水準です。単価だけなら現地 SIM が安く、travel eSIM が買っているのは着陸直後の時間だと理解してください。
クーポンコード一覧 (2026 年 8 月時点有効)
- Saily: クーポン
CAIRNR6205で $5 OFF - Nomad: クーポン
ILEXBDNSXSBAで $5 OFF - esim4travel: クーポン
cairnroam(取得準備中)で 10% OFF
クーポン適用条件は各社公式 T&C に沿っています。Saily (公式 T&C) は定価 5.60 米ドル未満・初回購入のみ・併用不可、Nomad (公式 referral 規約) は定価 5 米ドル未満に適用不可。1GB のような少額プランはクーポン対象外になる点に注意してください。
推奨 eSIM 3 選——Saily / Nomad / esim4travel の使い分け

結局どれを選べばいいですか?

旅の形で決まります。アムステルダム中心の短期なら最安、ベネルクス周遊なら容量重視、初めてなら Saily です。
Saily——EU 企業で GDPR 適用、初めての eSIM に
Saily は NordVPN を運営する Nord Security 系列で、本社は EU 域内のリトアニア・ヴィリニュスにあります。オランダと同じ EU 域内の事業者なので、個人データの扱いに GDPR がそのまま適用されます。アプリに広告・マルウェアブロックが標準装備されている点も、カフェやホテルの公共 Wi-Fi を避けたい旅行者には実利があります。アムステルダム・ハーグ・ロッテルダムを回る3〜7 日の都市滞在なら 3GB か 5GB で足ります。
Nomad——ベネルクス周遊・長期滞在・テザリングに
Nomad は中〜大容量帯のコスパと、ヨーロッパ地域プランの広さが持ち味です。オランダはベルギー・ドイツと陸続きで、鉄道で 2〜3 時間圏に複数国が入る立地なので、「アムステルダム → ブリュッセル → ケルン」のような周遊なら、国単独プランより地域プランが結果的に安く済みます。PC をテザリングで繋ぐ出張や 2 週間以上の滞在では、10GB〜20GB 帯の単価差がそのまま効いてきます。
esim4travel——最安で割り切る短期旅行に
esim4travel は最安帯に振った選択肢です。3〜4 日のアムステルダム観光で、地図と OVpay アプリとメッセンジャーが動けばいい——という割り切りなら 1GB〜3GB で十分です。写真や動画のアップロードは宿の Wi-Fi に寄せる前提で、「足りなくなったら追加購入する」という運用が合います。
オランダ入国前の eSIM 設定手順 (iPhone / Android)
eSIM は出発前に日本の安定した Wi-Fi でインストールまで済ませるのが鉄則です。現地に着いてから QR コードを読もうとすると、そのために通信が要るという循環に陥ります。スキポール空港には無料 Wi-Fi がありますが、入国審査の列に並んでいる間は使えない場面もあるので、「飛行機のドアが開いた瞬間にオンライン」を目標に準備してください。
- 出発前 (日本の Wi-Fi 環境で): 各社サイトでオランダ or ヨーロッパ地域プランを購入し、対象国一覧に Netherlands があることを確認する。
- 受け取った QR コードを、iPhone なら「設定 → モバイル通信 → eSIM を追加」、Android なら「設定 → ネットワークとインターネット → SIM → SIM のダウンロード」から読み込む。
- この時点では回線をオンにしない。プラン開始日が到着日になるよう、有効化のタイミングだけ現地で行う設定にしておく。
- 日本の回線を主回線、eSIM をデータ通信専用に指定し、「モバイルデータ通信の切替」をオフにする (日本回線でうっかり高額ローミングしないため)。
- 着陸後、機内モードを解除して eSIM をオンにする。ネットワークが KPN / Vodafone / Odido のいずれかを掴んだことを確認する。
- VoLTE をオンにする。3G は当てにできないため、非対応だと音声が使えない。
- Apple Pay / Google Pay に Visa または Mastercard を登録しておく (OVpay と店頭決済の主力になる)。
EES・英国行きフェリー——「EU 圏外に出てしまう」罠

入国で新しい手続きはありますか?

EES です。2026 年 4 月に全面稼働し、スキポールでは 161 台の自動端末で顔と指紋を登録します。
入国: 日本国籍者は シェンゲン協定圏内で 180 日中 90 日まで査証免除で滞在できます。ただし欧州入出国システム (EES) が導入され、王立オランダ国境警備隊 (Koninklijke Marechaussee) の案内のとおり、パスポートへのスタンプが電子記録に置き換わりました。オランダでは 2025 年 10 月 12 日にエームスハーフェンと IJmuiden / アムステルダム港の海港で始まり、11 月 3 日にスキポール空港で小規模に開始、その後段階的に拡大して 2026 年 4 月 10 日に EU 全域で全面稼働しています。スキポールには161 台のセルフサービス端末が設置され、初回入国時に顔画像と指紋を登録します。夏の朝の到着ピークは待ち時間が伸びるので、着陸直後から動く eSIM は、乗り継ぎの再予約や宿への連絡でも効いてきます。
EU 域内ローミングが「切れる」場所
オランダの陸の隣国はベルギーとドイツで、どちらも EU なので国境をまたいでも問題ありません。問題は海側と、英国方面です。
- 英国行きのフェリー: フック・ファン・ホラント↔ハリッジ、IJmuiden↔ニューカッスル、ロッテルダム↔ハルなどの航路では、英国は EU 離脱済みで域内ローミングの対象外です。さらに洋上では船舶用の衛星・海上ネットワークを掴むことがあり、これはEU の料金上限がまったく適用されない最も高額な区分です。乗船したらモバイルデータをオフにするのが鉄則。
- ユーロスターでロンドンへ: 同じく英国は域外です。オランダ発の直通列車を使う旅程なら、英国区間は別の手当て (英国を含む eSIM プラン、または現地 Wi-Fi) を前提にしてください。
- ワッデン海の島々 (テセル、テルスヘリング、アメラント、スヒールモニコーグ): 島自体はオランダの通常網が届きますが、フェリーの航路上では電波が弱くなる区間があります。乗船前に必要な情報 (時刻表・宿の住所) を開いておくと安心です。
- 緊急番号 112: SIM が無くても、どの網でも繋がります。オランダでも警察・消防・救急の共通番号です。
治安: オランダはインターネットの自由度が世界最高水準の国のひとつで、検閲を理由に eSIM や VPN が必要になる場面はありません。旅行者にとっての現実的なリスクは、アムステルダム中央駅周辺やダム広場のスリ、自転車の盗難、そして自転車レーンを歩いてしまうことです。最後のひとつは冗談ではなく、日本人旅行者の負傷理由として本当に多い。スマホを見ながら歩くときは、赤い舗装の上に立っていないか確認してください。
よくある質問
オランダで SIM の本人登録は必要ですか?
必要ありません。オランダは EU の中でも、プリペイド SIM の登録義務を法定していない国のひとつです。空港の売店やスーパー、電器店でパスポートを提示せずにプリペイド SIM を買えます。したがってオランダに関しては「登録が面倒だから eSIM」という理由は当てはまりません。eSIM を選ぶ理由は、着陸直後からオンラインでいられること、店舗を探す時間が要らないこと、そして日本の回線を高額ローミングから守れることの 3 点です。
EU の「Roam Like At Home」は日本の回線でも使えますか?
使えません。域内ローミング規則が適用されるのは EU/EEA 域内で契約された回線だけで、日本のキャリアで契約したスマートフォンはオランダでも通常の国際ローミング扱いです。1 日あたり定額のパケットプランは 1 週間で数千円規模になるため、同じ期間なら travel eSIM のほうが明確に安く収まります。なお日本の回線を主回線として残す場合は、データ通信の切替をオフにしておいてください。
オランダの店でクレジットカードは使えますか?
使える店もありますが、主力にはできません。オランダ中央銀行の 2025 年集計では、店頭決済に占めるクレジットカードは1% 未満です。国民はデビットカードの非接触決済 (pinnen) とスマホ払いで生活しており、小規模店ではクレジットカードを断られたり手数料を上乗せされたりします。タッチ決済対応の Visa / Mastercard を複数枚、スマホウォレットにも登録して持ち込むのが確実です。American Express は加盟店が少なく、公共交通の OVpay では使えません。
公共交通に乗るのに専用カードは必要ですか?
不要です。全国共通の OVpay に対応しており、Visa / Mastercard の非接触カードか Apple Pay / Google Pay をそのままかざせば、鉄道もトラムもメトロもバスも乗れます。乗るときと降りるときの両方でタッチするのが絶対条件で、チェックアウトを忘れると最大運賃が引き落とされます。また同じカードで複数人ぶんは払えないので、人数分のカードか端末を用意してください。
日本のキャリアで買ったスマホでも使えますか?
eSIM 対応機 (iPhone XS 以降、Pixel 6 以降、Galaxy S20 以降など) で、SIM ロックが解除されていれば使えます。オランダは 3G が事実上終わりつつあるため、VoLTE 対応と、その設定がオンになっていることを出発前に確認してください。対応バンドは 4G の B3 / B7 / B20 / B1 と、5G の n28 / n78 を押さえておけば実用上困りません。
オランダの 5G は速いですか?
都市中心部では十分に速いですが、国全体で見ると 5G の展開は欧州の中では遅れて始まりました。5G の主力帯である 3.5GHz 帯の競売が 2024 年 6〜7 月まで行われず、その原因は北部ブルムにあった海事衛星通信の地上局と周波数が競合していたことにあります。現在はアムステルダム・ロッテルダム・ユトレヒト・ハーグの中心部で高速な 5G を掴めますが、地方では 700MHz の 5G か 4G が主力です。4G が非常に安定しているので、地図・SNS・ビデオ通話・テザリングなら 4G で実用上まったく問題ありません。
どの eSIM がオランダでおすすめですか?
アムステルダム中心の短期観光・プライバシー重視なら Saily (クーポン CAIRNR6205 で $5 OFF)、ベネルクス周遊や長期滞在・テザリング多用なら Nomad (クーポン ILEXBDNSXSBA で $5 OFF)、数日の最安割り切りなら esim4travel (クーポン cairnroam で 10% OFF) が基準になります。いずれも購入前に対象国一覧に Netherlands が含まれているか確認してください。
まとめ——オランダ旅行・出張に最適な eSIM の選び方
オランダは「手続きのために eSIM を買う国ではなく、止まらないために eSIM を買う国」です。現地 SIM は本人確認なしで買えるので、その点での優位はありません。しかし店頭決済の 4 割弱がスマホ払い、クレジットカードは 1% 未満、電車もトラムもタッチ乗車——という社会で、通信が切れることの実害は日本の感覚よりずっと大きい。そのうえで押さえるべきはVoLTE の有効化と、英国方面・洋上で EU 域内ローミングが切れるという 2 点です。
- アムステルダム中心の短期観光、プライバシー重視: Saily (
CAIRNR6205で $5 OFF) - ベネルクス周遊・出張・テザリング多用: Nomad (
ILEXBDNSXSBAで $5 OFF) - 3〜4 日の最安割り切り: esim4travel (
cairnroamで 10% OFF) - 1 ヶ月以上の滞在: 本人確認不要で買える KPN / Vodafone / Odido 系の現地プリペイド
Odido の 3G 停波日が正式に告知されれば、VoLTE 非対応機の扱いはさらに厳しくなります。本ページは各社の告知が動き次第、更新していきます。
参考文献
- オランダ中央銀行 (De Nederlandsche Bank) — Vooral jongeren en ouderen pinnen vaker aan de kassa — 2025 年の店頭決済 71 億件・1,850 億ユーロ、現金 17%、カード 83%、クレジットカード 1% 未満、非接触 95%、スマホ/ウォッチ払い 39%
- Betaalvereniging Nederland (オランダ決済協会) — Feiten & Cijfers — 決済手段別シェアの原統計と iDEAL の位置づけ
- ACM (消費者市場庁) — Telecommonitor: mobiel dataverbruik bereikt opnieuw recordhoogte in vierde kwartaal 2025 — モバイル回線 2,580 万件、四半期 8 億 2,900 万 GB、1 回線あたり四半期 32GB
- Odido — We gaan afscheid nemen van 3G — 国内最後の 3G 停波予定と、6 ヶ月前告知の方針
- Odido Newsroom — Odido optimizes mobile network: 3G to be phased out — 3G 帯域を 4G/5G の容量へ振り替える方針の公式説明
- RDI (デジタルインフラ監督庁) — Veiling 3,5 GHz — 3450〜3750MHz 帯の競売 (2024 年)、免許は 2040 年 12 月 31 日まで
- OVpay 公式 — 全国共通のタッチ乗車、対応カードとチェックイン/チェックアウトの規則
- NS (オランダ鉄道) — Check in with your debit card, credit card or phone — 鉄道でのタッチ乗車と、チェックアウト忘れ時の扱い
- Koninklijke Marechaussee (王立オランダ国境警備隊) — Entry/Exit System (EES) — オランダにおける EES 導入の一次情報
- 欧州連合 Your Europe — Mobile roaming costs — EU/EEA 域内で契約された回線のみが域内料金の対象
- 外務省 — 査証免除国・地域 (短期滞在) — 日本国籍者はシェンゲン圏で 180 日中 90 日まで無査証
- 外務省 海外安全ホームページ — オランダ — 渡航先の安全情報の一次情報
近隣国ではイギリスのeSIM事情も現地事情が近く、あわせて読むと理解が深まります。
最終更新日: 2026-08-23

