結論から言うと、カンボジアでは 日本を出る前に travel eSIM を買って入れておくのが、本人確認の手間をまるごと省いて着陸直後から繋がる最短ルートです。理由は単純で、カンボジアの現地 SIM / eSIM は身分証のスキャンに加えて 顔スキャン まで求められるから。Smart Axiata が自社の登録ページと eSIM 購入手順でそう明記しています。一方で 1GB あたりの単価だけを見れば空港の現地 SIM が圧倒的に安く、そこは正直に書きます。私 (sasapy) がアジアを回りながら eSIM を回してきた感覚でも、「単価最優先なら現地 SIM、手続きゼロと即時性を買うなら事前 eSIM」——この線引きを先に決めるのが、カンボジアで通信に迷わない一番の近道でした。

カンボジアの eSIM、何から決めればいいんでしょう?

出発前に 1 枚入れておくかどうかです。Smart Axiata 公式は SIM 登録に身分証スキャンと顔スキャンを課しています。

顔スキャンまで? 端末の登録も要るんですか?

2023 年 2 月の副令第 41 号で IMEI 制度はありますが、滞在 60 日以下の旅行者は条件付き許可リストの扱いです。

電波は正直あまり期待していませんでした。

それが逆で、Ookla の 2026 年 8 月データはモバイル中央値 111.90Mbps・世界 43 位。ただし全土は覆っていません。

タイから陸路で入る予定だったんですが。

ドイツ外務省はタイとの全国境が閉鎖中と記載。空路前提になりますし、決済も中央銀行の QR が軸なので通信は必需です。
このページで分かること: 日本人がカンボジアで eSIM を使うときに私 (sasapy) が先に確認しているのは、(1) 現地 SIM / eSIM の登録が 身分証スキャン+顔スキャン である事実と、海外発行 eSIM でそこに触れずに済む構造、(2) 2023 年の副令第 41 号でつくられた IMEI 登録制度 (EIRS) と「滞在 60 日以下の旅行者」の扱い、(3) 2026 年 1 月の 5G 全国展開でモバイル中央値が跳ね上がった一方、全土は覆えていないという二面性、(4) 日本人に査証が要ること・タイ国境の渡航情報・Bakong を軸にした決済事情、の 4 点です。私の現場感を、カンボジア郵政電気通信省 (MPTC) と電気通信規制庁 (TRC)、キャリア公式、Ookla、日本の外務省とドイツ外務省、カンボジア国立銀行 (NBC) の公開資料で裏づける形で 1 本にまとめました。
- カンボジアの SIM 登録は「身分証+顔スキャン」——海外 eSIM が触れずに済む理由
- 副令第 41 号と EIRS——端末の IMEI 登録と「滞在 60 日以下」の扱い
- 5G 全国展開後の実力——Ookla 中央値 111.90Mbps と、覆いきれない地域
- 日本からの入国——査証・e-Arrival と、タイ国境の渡航情報
- 決済はスマホが主役——Bakong・KHQR と米ドルの注意点
- 使用容量別の eSIM 料金比較 (2026 年 9 月 25 日時点)
- 推奨 eSIM 3 選——esim4travel / Nomad / Saily の使い分け
- 渡航前の eSIM 設定と、現地での現実的な備え
- よくある質問
- まとめ——カンボジア旅行・出張に最適な eSIM の選び方
- 参考文献
カンボジアの SIM 登録は「身分証+顔スキャン」——海外 eSIM が触れずに済む理由
本ページの開示: 本ページにはアフィリエイトリンクが含まれており、ご利用に応じて当サイトに収益が発生する場合があります。価格・規制情報は 2026 年 9 月時点のもので、私 sasapy が カンボジア郵政電気通信省 (MPTC)・電気通信規制庁 (TRC) 公式、キャリア公式 (Smart Axiata / Cellcard)、Ookla Speedtest Global Index、日本の外務省・ドイツ外務省、カンボジア国立銀行 (NBC) の公開資料、および各 eSIM 事業者の公式ページから確認した値を主軸に整理しています。料金も渡航情報も変動が速いため、購入・出発前に各社公式と各国政府の最新情報で最終確認してください。

顔スキャンって、本当に全員に求められるんですか?

Smart Axiata の eSIM 購入手順では、手順 5 で身分証、手順 6 で顔をスキャンすると公式に明記されています。
カンボジアで現地の SIM や eSIM を契約するとき、最初にぶつかるのがこの本人確認です。カンボジアの主要通信事業者の一つ Smart Axiata は SIM 登録の公式ページ で、「Cambodian ID Card/Passport」(国民 ID またはパスポートのスキャン提出) と「Face scan」(生体認証としての顔スキャン) の 両方を挙げ、これが「現行の政府規則・規制への準拠」のための手続きだと説明しています。同社の eSIM 購入ページ ではさらに具体的で、手順 5 で「国民 ID またはパスポートをスキャン」、手順 6 で「顔をスキャンして認証」と番号付きで書かれています。つまり 現地キャリアの eSIM を選んでも本人確認は回避できません。eSIM だから手続きが軽い、という話ではないわけです。
規制当局の姿勢も同じ方向です。電気通信規制庁 (TRC) は事業者と販売店に対し、有効な身分証を取得した後でなければ SIM を開通させないよう求め、未登録の回線や同一名義の多重回線を保有する加入者への連絡と、加入者情報が揃わない番号の停止を指示しています。身分確認なしで SIM を貸し出した販売店は、その SIM が犯罪に使われた場合に「過失による共謀」として責任を問われうる、という踏み込んだ表現も報じられています (Telecom Review Asia の報道)。なお TRC が公開しているプラカース (省令) 索引 23 件の中に SIM 登録そのものを指す告示は見当たらないため、ここでは TRC 公式サイト とキャリア公式ページを根拠として読んでください。
海外発行の travel eSIM だと、なぜこの手続きが出てこないのか
ここは法律の条文を引くところではなく、ローミングという仕組みの帰結として理解するのが正確です。海外発行の travel eSIM を使うとき、あなたは日本や第三国の通信事業者の契約者のまま、カンボジアの網にローミングで乗り入れます。カンボジア側の加入者として新規に契約が結ばれるわけではないので、Smart が説明している「身分証スキャン+顔スキャン」の工程に、そもそも入っていきません。逆に言えば、カンボジア政府が「外国人観光客の eSIM は登録免除」と明文で定めている、という書き方はできません。私が確認した範囲では、そうした条文や告示は公開資料の中に見つかりませんでした。あくまで「現地で契約しないから現地の登録手続きが発生しない」という構造の話として受け取ってください。
空港の現地 SIM は安い——ただし登録の話は同じ
価格の話は正直に書きます。Smart の Traveller SIM は データ 30GB+通話・SMS 付きで 15 日間、プラン料金 5 米ドル。国際空港の Smart ブースで買えると公式ページに書かれています。1GB あたりに割り戻すと、この記事で比較する travel eSIM のどれよりも桁違いに安い。ここを隠すつもりはありません。ただし Smart の登録ページが示す本人確認の要件は、同社のプリペイド回線全般にかかる話です。この Traveller SIM のページに「パスポート不要」とは書かれていないので、空港の現地 SIM なら本人確認を飛ばせる、とは読まないでください。travel eSIM が買っているのは単価ではなく、(a) 身分証と顔のスキャンに付き合わないこと、(b) ブースの行列を待たずに着陸直後から繋がること、(c) 日本の番号を生かしたままにできること、(d) 抜き差しする物理 SIM を持ち歩かないこと——この 4 点です。
副令第 41 号と EIRS——端末の IMEI 登録と「滞在 60 日以下」の扱い

60 日を超える滞在だとどうなりますか?

副令第 41 号の免除対象は滞在 60 日以下の旅行者と明記。超えるなら現地での正規の手続きを前提に組み立てます。
カンボジアには端末側の登録制度もあります。2023 年 2 月 3 日に公布された SIM モジュールを使用する電気通信機器の識別登録に関する副令第 41 号 がそれで、MPTC が運用する国家 IMEI データベース EIRS (Equipment Identity Registration System) が作られました。事業者は自社の EIR を EIRS に接続し、端末の IMEI を照合したうえでネットワークに接続させる建て付けです。トルコやイランの IMEI ルールを思い浮かべた方も多いと思いますが、カンボジアの副令には旅行者向けの明示的な受け皿があります。
副令は「条件付き許可リスト (conditional authorised list)」という枠を定義し、その例として 「カンボジアに 60 日を超えずに滞在する外国からの観光客・旅行者が使用する電気通信機器」 を挙げています。免除の一覧にも「カンボジアに 60 日を超えずに滞在する観光客・旅行者の機器」が並びます。つまり 短期旅行で自分のスマートフォンを持ち込む限り、端末側の登録で足止めされる想定にはなっていない、と読めます。違反時の制裁は行政処分に加えて 100 万〜5 億リエル (およそ 250〜12.5 万米ドル) の罰金と定められており、制度としての重さは相応です。
ここで混同しないでほしいのが、加入者側の本人確認 (身分証+顔スキャン) と、端末側の IMEI 登録は別の話だという点です。travel eSIM で避けられるのは前者であって、後者は「60 日以下なら条件付きで通す」というルールの側で最初から手当てされています。海外の一部サイトが書いている「副令第 236/2024 号」「30 日」といった数字は、私が原文の抽出テキストに当たった限り一致しませんでした。公布は 2023 年 2 月 3 日、番号は 第 41 号、旅行者の線引きは 60 日 です。なお MPTC が消費者向けの IMEI 照会窓口を用意したという報道もありますが、当該サイトは私の環境からは応答が得られず確認できなかったため、ここではリンクを張りません。
5G 全国展開後の実力——Ookla 中央値 111.90Mbps と、覆いきれない地域

111Mbps って、去年からそんなに伸びたんですか?

Ookla 基準で 2025 年末が約 53.58Mbps、2026 年 8 月が 111.90Mbps。1 月の 5G 全国展開を挟んだ変化です。
カンボジアの通信を「発展途上だから遅い」と決めつけていると、数字で驚かされます。Ookla Speedtest Global Index のカンボジア国別ページ (2026 年 8 月更新) では、モバイルの中央値ダウンロードが 111.90Mbps、アップロード 21.86Mbps、レイテンシ 18ms、世界ランクは 43 位 (前月比 +6)。固定回線が 108 位・54.74Mbps であることと比べても、モバイルへの寄り方が極端です。一方、DataReportal の Digital 2026: Cambodia が Ookla を引いて示す 2025 年末のモバイル中央値は 53.58Mbps。同じ Ookla の別時点のスナップショット同士を並べると、およそ 2.1 倍、ざっくり倍増といえる伸びです。
その間に起きたのが 5G の全国展開でした。MPTC (郵政電気通信省) の公式発信 によれば、カンボジアは 2026 年 1 月 1 日に 767 局で 5G を正式ローンチし、2026 年 3 月 5 日時点で全国 1,592 局まで拡大しています。国営通信社 AKP の ローンチ報道 では、第 1 期のカバー対象としてプノンペンに加え シェムリアップ、カンダール、スヴァイリエン、コンポンスプー、タケオ、コンポンチャム、コンポントム、プレイヴェン、クラチェ、コンポンチュナン、ポーサット、プレアシハヌーク、ストゥントレン、カンポットが挙げられ、順次全州へ広げる方針が示されています。アンコール・ワットの玄関口であるシェムリアップが第 1 期に入っている点は、遺跡巡りを考えている人には効いてくる情報です。対象の 3 社は Cellcard (CamGSM)・Metfone (Viettel Cambodia)・Smart (Smart Axiata) で、travel eSIM もこのいずれかの網に乗ります。
ただし、ここで止めると宣伝になってしまうので釣り合いを取ります。ドイツ外務省のカンボジア安全情報 は、「インターネットと携帯電話網は国内すべての地域を網羅しておらず、特に辺境部や小さな島々は大部分でインターネットが受信できない」と明記しています。コ・ロン島などの離島や、幹線から外れた村落へ足を延ばす日程なら、中央値 111Mbps という数字はそのまま当てはまりません。遺跡群の内部やトンレサップ湖の水上集落での電波の入り方については、私が確認できた範囲で一次資料と言える情報が見つからなかったので、「シェムリアップ市街は第 1 期の 5G 対象、ただし全土網羅ではない」という 2 点だけを事実として持っておくのが安全です。端末の対応バンドについても、カンボジアの割当を公的資料で特定できなかったため、本記事では具体的なバンド番号を挙げません。
日本からの入国——査証・e-Arrival と、タイ国境の渡航情報
日本人にとってカンボジアは 査証 (ビザ) が必要な国です。外務省の安全対策基礎データ は「カンボジアに入国するためには査証が必要です」と明記し、取得ルートとして (1) 出発前に在外公館で取得、(2) 主要空港および周辺国との陸路国境での アライバルビザ、(3) カンボジア政府の電子ビザ (公式ポータルとして evisa.gov.kh が案内されています) の 3 つを挙げています。種別は観光の T と商用の E で、いずれも 滞在は最長 30 日、T では就労できません。旅券の残存有効期間は 6 か月以上が必要で、超過滞在は 1 日あたり 10 米ドルの罰金が出国の条件として課されます。電子ビザは延長できない点も押さえておいてください。外務省は代行業者のサイトで高額な手数料を取られたり、手続きが実際には行われていなかった事例にも注意を促しています。
もう一つ、全員に効いてくるのが 電子入国手続き (Cambodia e-Arrival) です。外務省は入国時の出入国・税関・検疫の手続きについて「オンラインでの提出が必要」とし、公式サイトまたは Cambodia e-Arrival アプリから 到着の 7 日前以降に登録するよう案内しています。ドイツ外務省も 2024 年以降の電子入国手続きへの移行と、従来の紙の入国カード廃止を同様に記載しています。ここでの実務的な結論はシンプルで、この登録は着陸前に自宅や機内 Wi-Fi で済ませられるので、eSIM が効いてくるのは入国審査そのものではなく、その後の配車アプリ・地図・QR 決済の方です。「入国のために現地の電波が要る」とまでは言いません。
タイ国境は閉鎖中——アンコールへは空路が前提になる
従来のバンコク→ポイペト→シェムリアップという陸路ルートは、2026 年 9 月時点では想定できません。前掲のドイツ外務省 (ページ日付 2026 年 9 月 25 日) は 「タイとカンボジア間のすべての国境検問所は引き続き閉鎖されている」と記載し、タイ国境から 20km 以内への渡航に対する部分的渡航警告も出しています。同省はさらに、シェムリアップ (アンコール・ワット) を訪れる場合は カンボジア国内に最低 1 泊する義務があり、第三国からの日帰り観光はできない、と移民当局の説明として書いています。
日本の外務省が出している危険情報 (2026 年 7 月 2 日付) も、タイ国境周辺だけを切り分けています。同省の危険情報ページ では、タイ国境から 30km 以内がレベル 3 (渡航中止勧告)、30〜50km がレベル 2 (不要不急の渡航は止めてください)、それ以外の全土がレベル 1 (十分注意してください) という構成です。背景として 2025 年 7 月以降の武力衝突と、2025 年 12 月 27 日正午発効の停戦合意が挙げられ、半年以上軍事衝突が起きていない比較的安定した状況としつつ、重火器が撤去されていないため 30km 圏のレベル 3 は据え置かれています。国境の状況は動きやすいので、出発前に外務省とドイツ外務省の当該ページを見直してください。結果として ほぼ全員が空路で入ることになり、これは「空港の SIM ブースに並ぶ前に繋がっていること」の価値が上がる状況です。
日本人が最も遭う犯罪は「ひったくり」——スマホがそのまま狙われる
外務省は「カンボジアで日本人が最も多く遭遇する犯罪被害は、『ひったくり』です」と書き、路上で操作していたスマートフォンをひったくられる例を具体的に挙げています。米国務省も首都プノンペンについて、外国人が集まる場所で携帯電話やバッグのひったくりが頻発し、抵抗すると負傷につながりうると警告しており、ドイツ外務省もバイクによる追い抜きざまの犯行が歩行者・トゥクトゥク・バイクタクシー乗車中の旅行者に及ぶとしています。3 か国の政府が独立に同じ注意を出しているという意味で、これは重い情報です。eSIM は盗難そのものを防ぐ道具ではありません。ただし 物理 SIM を持ち歩かないぶん、端末ごと失ったときに「SIM も一緒に消えた」状態を避けられ、予備端末側にプロファイルを入れ直す余地が残ります。そこまでを含めて、過大評価せずに使うのが現実的です。
決済はスマホが主役——Bakong・KHQR と米ドルの注意点

現金はどのくらい持っていけばいいですか?

外務省は米ドル流通と偽札被害に注意を促しています。中央銀行の Bakong による QR 決済が現実的な代替です。
カンボジアの決済事情は、この連載で扱ってきた国の中でもかなり特殊です。中央銀行であるカンボジア国立銀行 (NBC) 自身が Bakong という決済・銀行アプリを運営していて、公式サイトは自らを「カンボジア唯一のオールインワン型モバイル決済・銀行アプリ」と説明しています。電子ウォレット、モバイル決済、オンラインバンキングを 1 つのインターフェースにまとめる、という建て付けです。さらに外国人旅行者向けには Bakong Tourists という別アプリが用意されており、Google Play の配信元パッケージ名が kh.gov.nbc.bakong.tourist であること自体が、これが NBC すなわち政府側のアプリであることを示しています。海外発行カードを紐づけてチャージし、加盟店の KHQR で支払う——という流れですが、対応カードの種別や近隣国での残高利用といった細部は公的資料で裏が取れなかったため、ここでは断定しません。
旅行者目線で重要なのは、この仕組みが全部「通信ありき」だということです。アプリの初期設定にも、店頭での支払いにも回線が要ります。つまりカンボジアではデータ回線が「あると便利なもの」ではなく、財布のインフラに近い位置にあります。現金面の注意も外務省が明快で、安全対策基礎データ は「カンボジアでは米ドルが流通していますが、偽札も出回っており、気づかないうちにすりかえられる等の被害もあるため十分な確認が必要です」と記しています。米ドルが日常のお金として通用すること、そして偽札被害が実在することの両方が、政府文書として確認できるわけです。これはそのまま「QR 決済に寄せる理由」になります。なお現金の持ち込み・持ち出しは 1 万米ドル相当以上で申告が必要で、持ち出しについては中央銀行など関係機関の事前許可が要るとされています (ドイツ外務省も同じ 1 万米ドルの閾値を記載)。
使用容量別の eSIM 料金比較 (2026 年 9 月 25 日時点)
カンボジア向けに travel eSIM を選ぶときの、esim4travel / Nomad / Saily の表示価格を容量帯別に整理しました。esim4travel は 2026 年 9 月 25 日に公式ページを実際に表示させて確認した値、Nomad は同日に日本から表示させた 円建ての値です (Nomad の価格は地域・通貨によって変わるため、円表示をそのまま載せています)。Saily はページ側のボット対策で公式価格を確認できなかったため、後述のとおり参考値扱いにしています。料金は改定が速いので、購入前に各社公式で最終確認してください。
| 容量 / 有効期間 | esim4travel (公式表示 / USD) | Nomad (日本からの表示 / JPY) | Saily (参考値 / USD) |
|---|---|---|---|
| 1 GB (7 日) | $1.95 | ¥941 | 約 $5.99 ※ |
| 3 GB (30 日) | $5.24 | ¥1,882 | 約 $10.99 ※ |
| 5 GB (30 日) | $8.33 | ¥2,353 | 約 $14.99 ※ |
| 10 GB (30 日) | $14.14 | ¥3,765 | 約 $23.99 ※ |
| 15 GB (30 日) | 取扱なし | ¥4,392 | 取扱なし |
| 20 GB (45 日) | 取扱なし | ¥5,647 | 取扱なし |
| 接続先ネットワーク | CamGSM (公式記載) | Metfone (公式記載) | 公式に記載なし |
※ Saily の価格について: Saily のカンボジア向け公式ページは、私が 2026 年 9 月 25 日に試した 3 通りの方法すべてでボット対策に阻まれ、表示価格を直接確認できませんでした。表の Saily 欄は 集計サイト esimdb の 2026 年 7 月 2 日時点の参考値で、公式ページ未確認につき変動している可能性があります。現行価格は Saily 公式でご確認ください。また Saily の「無制限」系プランは、集計サイトによれば 1 日 5GB 超で減速するソフトキャップ型で、完全な無制限ではありません。
表を素直に読むと、公式ページで現行価格を確認できた esim4travel と Nomad のうち、一致する容量帯では esim4travel が最も安い確認済みの選択肢という結果になります。1GB/7 日は 1.95 米ドル、10GB/30 日でも 14.14 米ドルで、クーポン適用前の定価で比べると円換算の Nomad より明確に下です。ただし Saily は前述のとおり公式ページを確認できておらず、参考値の集計サイトの数字にクーポンを当てはめて三社の順位を決めるのは不正確なので、Saily を含めた「クーポン込みでどれが一番安いか」までは断定しません。一方で Nomad は 15GB・20GB という上の容量帯を持っており、esim4travel と Saily には該当プランがありません。長期滞在や動画を多く扱う日程では、そもそも比較できる相手がいない帯域に Nomad だけがいる、という見方になります。
クーポンコード (2026 年 9 月時点)
- Saily: クーポン
CAIRNR6205で $5 OFF - Nomad: クーポン
ILEXBDNSXSBAで $5 OFF - esim4travel: クーポン
cairnroam(取得準備中のためコード未発給)で 10% OFF
esim4travel のクーポンは 取得準備中でコードが未発給のため、現時点では適用できません。ただし上で見たとおり、確認できた定価の中ではすでに一致容量帯で最安なので、「クーポンが出てから買う」必要はない、というのが素直な読み方です。Saily と Nomad のクーポンは各社の規約に沿った適用になり、少額プランは最低利用金額に届かず対象外になることがあります。
比較の軸をもう 1 本足しておくと、前述の Smart Traveller SIM は 5 米ドルで 30GB/15 日です。1GB 単価では travel eSIM はどれも勝てません。それでも事前 eSIM を選ぶ理由は、繰り返しになりますが 身分証と顔のスキャンに付き合わないこと、空港で並ばないこと、日本の番号を残すことの 3 点に集約されます。ここに価値を感じないなら、空港ブースで現地 SIM を買うほうが合理的です。そこは正直に書いておきます。
推奨 eSIM 3 選——esim4travel / Nomad / Saily の使い分け

3 社のうち、結局どれを選べばいいですか?

確認できた定価の中で最安なのは esim4travel で 1GB/7 日が 1.95 米ドル。周遊や長期は Nomad の中〜大容量帯が噛み合います。
3 社は性格が違うので、日程とデータの使い方で選び分けるのが失敗しないコツです。
esim4travel——数日〜1 週間の遺跡観光に、価格で割り切る
esim4travel のカンボジア向けページ は、1GB/7 日 1.95 米ドル、3GB/30 日 5.24 米ドル、5GB/30 日 8.33 米ドル、10GB/30 日 14.14 米ドルという構成です。同ページには購入する eSIM の枚数を選ぶセレクタもあり、同行者ぶんをまとめて買えます。シェムリアップに数泊してアンコール遺跡群を回り、地図・配車アプリ・メッセンジャー・KHQR 決済が動けば十分、という日程ならこれで答えが出ます。接続先ネットワークについては、esim4travel 公式ページ自体が「マルチキャリア網」として CamGSM の名前を明記しています (2026 年 9 月 25 日確認)。Smart・Metfone への言及はページ内に見当たらないため、CamGSM 以外は断定しません。なお有効化のタイミングや上限超過後の速度制限については、esim4travel の公式ページに Nomad や Saily のような明記が見当たらなかったため、購入前に各自で確認してください。
Nomad——長期滞在と、上の容量帯が要るとき
Nomad のカンボジア向けページ は、接続先を Metfone と公式に明記しており、4G/5G での接続をうたいつつ「場所や時間帯によって品質は変わりうる」と注記しています。実務上の押さえどころは 3 つ。購入から 60 日以内に有効化する必要があること、高速データを使い切ると 512kbps に減速すること、そして データ専用で現地の電話番号や SMS は付かないことです。日本から見ると 1GB/7 日 941 円、10GB/30 日 3,765 円、20GB/45 日 5,647 円という表示で、15GB・20GB という帯域を持っているのは 3 社の中で Nomad だけ。プノンペンとシェムリアップとシハヌークビルを跨いで長く動く日程や、宿の Wi-Fi が細い前提で仕事を持ち込む人はこちらに寄せる価値があります。クーポン ILEXBDNSXSBA で $5 OFF。
Saily——アプリの使い勝手とプライバシー重視で
Saily は NordVPN を手がける Nord Security 系列の eSIM で、広告・悪質 URL のブロックがアプリに組み込まれているのが特徴です。個人情報の扱いが明快な事業者を選びたい人には効いてくる選択肢で、Saily のカンボジア向けページ から現行の料金を確認できます。ただし本記事の表に載せた Saily の金額は公式ページで確認できなかった参考値です。購入前にご自身で現行価格を見てから判断してください。クーポン CAIRNR6205 で $5 OFF。カンボジア向けプランはデータ専用で、現地番号や SMS は付きません。
渡航前の eSIM 設定と、現地での現実的な備え
段取りはシンプルです。日本の自宅 Wi-Fi で購入と QR コードの読み取りまでを済ませ、データローミングは OFF のまま放置します。この状態なら料金は発生しません。プノンペン (PNH) やシェムリアップ・アンコール国際空港 (SAI) に着いて機内モードを解除し、ローミングを ON にすれば、そこから通信が始まります。iPhone は「設定」→「モバイル通信」→「eSIM を追加」→「QR コードを使用」で事業者発行の QR を読み取り、回線ラベル (例:「Cambodia」) を付けておくと管理が楽です。「デフォルト回線」は日本の物理 SIM のままにして「モバイルデータ通信」だけ eSIM 側に切り替えれば、日本の電話番号と SMS 認証を生かしたままデータだけカンボジア側で動きます。Android は「設定」→「ネットワーク」→「SIM」→「eSIM を追加」で同様です。カンボジアの割当バンドについては公的な一次資料が見つからなかったので、本記事では具体的な番号を挙げません。eSIM 対応かどうかと SIM ロックが解除済みかどうか、この 2 点だけ出発前に確認しておいてください。
現地での備えも 2 つだけ。1 つは前述のひったくり対策で、路上でスマートフォンを長時間手に持って操作しない、トゥクトゥクやバイクタクシーの車道側で画面を見ない、という基本を徹底することです。もう 1 つはオフライン地図と宿・緊急連絡先のローカル保存。ドイツ外務省が言うとおり全土がカバーされているわけではないので、離島や辺境へ出る日は圏外を前提に組んでおくと精神的に楽になります。決済は Bakong の KHQR と現金の併用が現実的で、米ドル紙幣を受け取るときは外務省の注意どおり手元で確認する癖をつけてください。
あわせて読みたい: 東南アジア各国のtravel eSIM事情はcairnroamの国別ガイド一覧でまとめています。近隣国ではベトナムのeSIMガイド、シンガポールのeSIMガイド、フィリピンのeSIMガイドも参考にしてください。
よくある質問
カンボジアの SIM 登録に顔スキャンは必要ですか?
現地キャリアで契約する場合は必要とされています。Smart Axiata は自社の SIM 登録ページで身分証 (国民 ID またはパスポート) のスキャンと顔スキャンの両方を挙げ、eSIM 購入手順でも手順 5 で身分証、手順 6 で顔をスキャンすると明記しています。現地キャリアの eSIM を選んでもこの工程は省略できません。
海外発行の travel eSIM なら、カンボジアでの登録は要らないのですか?
海外発行の eSIM はあなたを海外事業者の契約者のままローミングさせる仕組みなので、カンボジア側で新規に加入者契約が結ばれません。結果として Smart が説明している登録工程に入っていかない、というのが正確な説明です。ただし「カンボジアの法令が観光客の eSIM を登録免除にしている」と書ける公的資料は、私が確認した範囲では見つかりませんでした。仕組みの帰結として理解してください。
カンボジアで端末の IMEI 登録は必要ですか?
2023 年 2 月 3 日の副令第 41 号によって IMEI 登録制度 (EIRS) 自体は存在します。ただし同副令は「カンボジアに 60 日を超えずに滞在する観光客・旅行者の機器」を条件付き許可リストおよび免除の対象として明示しています。短期の旅行で自分のスマートフォンを持ち込む場合、端末登録で足止めされる想定にはなっていません。
カンボジアのモバイル通信は速いですか?
Ookla Speedtest Global Index の 2026 年 8 月更新値では、モバイルの中央値ダウンロードが 111.90Mbps、世界ランク 43 位です。2026 年 1 月 1 日の 5G 全国展開 (767 局、3 月 5 日時点で 1,592 局) がこの伸びの背景にあります。ただしドイツ外務省は辺境部や小さな島々の多くでインターネットが受信できないとしており、全土がこの数字というわけではありません。
日本人はカンボジアに査証なしで入国できますか?
できません。外務省は「カンボジアに入国するためには査証が必要です」と明記しています。観光は T、商用は E で滞在は最長 30 日、旅券の残存有効期間は 6 か月以上が必要です。在外公館での事前取得、主要空港などでのアライバルビザ、外務省が公式ポータルとして案内している電子ビザの 3 ルートがあります。超過滞在は 1 日 10 米ドルの罰金です。
タイからカンボジアへ陸路で入れますか?
ドイツ外務省は 2026 年 9 月時点で「タイとカンボジア間のすべての国境検問所は引き続き閉鎖されている」と記載しています。日本の外務省もタイ国境から 30km 以内をレベル 3、30〜50km をレベル 2 としています。ドイツ外務省の情報では、シェムリアップ訪問にはカンボジア国内での 1 泊以上が求められ、第三国からの日帰りはできないとされています。状況は変わりやすいので出発前に最新情報を確認してください。
カンボジアでの支払いは現金とスマホのどちらが便利ですか?
カンボジア国立銀行が運営する Bakong と KHQR による QR 決済が広く使われており、外国人旅行者向けには Bakong Tourists という別アプリも用意されています。米ドルも日常的に流通していますが、外務省は偽札が出回っており気づかないうちにすりかえられる被害があるとして確認を促しています。QR 決済に寄せておくと安心材料が増えますが、その分データ回線が前提になります。
カンボジアでおすすめの eSIM はどれですか?
価格で割り切る短期観光なら esim4travel (1GB/7 日 1.95 米ドルと、一致容量帯では、確認できた定価の中で最安)、長期滞在や 15GB 以上の容量が要るなら Nomad (ILEXBDNSXSBA で $5 OFF、Metfone 接続・512kbps 減速・購入から 60 日以内に有効化)、アプリの使い勝手とプライバシー重視なら Saily (CAIRNR6205 で $5 OFF) です。
まとめ——カンボジア旅行・出張に最適な eSIM の選び方
カンボジアの eSIM 選びは、「身分証と顔のスキャンに付き合うかどうか」で最初の分岐が決まる、というのが私の現場結論です。Smart Axiata が公式に書いている登録要件は明快で、現地キャリアの eSIM を選んでもそこは避けられません。海外発行の travel eSIM ならローミング扱いになるのでその工程に入らず、端末側も副令第 41 号の「滞在 60 日以下の旅行者」の枠で手当てされています。通信品質は 2026 年 1 月の 5G 全国展開でモバイル中央値がおよそ 2 倍に伸びた一方、全土網羅ではない。そしてタイ国境が閉じている以上ほぼ全員が空路で入るので、着陸した瞬間に繋がっている状態の価値は上がっています。
- 数日〜1 週間の遺跡観光・価格優先: esim4travel (一致容量帯では、確認できた定価の中で最安)
- 長期滞在・広域周遊・15GB 以上: Nomad (
ILEXBDNSXSBAで $5 OFF) - アプリの使い勝手とプライバシー重視: Saily (
CAIRNR6205で $5 OFF) - 1GB 単価だけを追うなら: 空港の Smart Traveller SIM (30GB/15 日 5 米ドル・ただし登録要件は同じ)
料金・容量・手続きの 3 点で自分に合う 1 枚を出発前に決めて、QR まで取り切っておく。それだけでカンボジア到着直後の通信の不安はほぼ消えます。困ったときのご連絡は お問い合わせフォーム からどうぞ。
参考文献
- Smart Axiata — SIM Registration — 本人確認に「Cambodian ID Card/Passport」のスキャンと「Face scan」の両方を要求
- Smart Axiata — Smart eSIM — eSIM 購入手順の手順 5 で身分証、手順 6 で顔をスキャン
- Smart Axiata — Traveller SIM — 30GB+通話 SMS 付き 15 日間でプラン料金 5 米ドル、国際空港のブースで販売
- Rajah & Tann — 副令第 41 号 (2023 年 2 月 3 日) 解説 — EIRS による IMEI 登録制度、滞在 60 日以下の旅行者の条件付き許可リスト、100 万〜5 億リエルの罰金
- TRC (カンボジア電気通信規制庁) — 公式サイト — 規制当局の一次窓口
- Telecom Review Asia — TRC の未登録 SIM 対策 — 身分証確認後の開通義務、未登録・多重名義回線の停止、販売店の責任
- MPTC (カンボジア郵政電気通信省) — 大臣基調講演 (2026 年 3 月) — 2026 年 1 月 1 日に 767 局で 5G ローンチ、3 月 5 日時点で全国 1,592 局
- AKP (カンボジア国営通信社) — 5G 全国ローンチ報道 — 第 1 期カバー州にシェムリアップを含む、Cellcard / Metfone / Smart の 3 社が参加
- Ookla — Speedtest Global Index (Cambodia) — 2026 年 8 月更新でモバイル中央値 111.90Mbps、世界 43 位 (前月比 +6)
- DataReportal — Digital 2026: Cambodia — Ookla 基準で 2025 年末のモバイル中央値 53.58Mbps、GSMA Intelligence によるモバイル接続数 2,170 万件 (人口比 121%)
- 外務省 — カンボジア 安全対策基礎データ — 査証必須、T/E は最長 30 日、旅券残存 6 か月、超過滞在 1 日 10 米ドル、e-Arrival のオンライン提出、ひったくり被害、偽米ドル札への注意
- 外務省 — カンボジア 危険情報 (2026 年 7 月 2 日付) — タイ国境 30km 以内レベル 3、30〜50km レベル 2、その他レベル 1、2025 年 12 月 27 日発効の停戦
- ドイツ外務省 — カンボジア 渡航・安全情報 — タイとの全国境検問所が閉鎖中、アンコール訪問時の 1 泊以上要件、通信網が全土を覆っていないこと、1 万米ドルの申告基準
- Bakong (カンボジア国立銀行) — 公式サイト — 中央銀行が運営するオールインワン型モバイル決済・銀行アプリ
- esim4travel — カンボジア eSIM — 1GB/7 日 $1.95、3GB/30 日 $5.24、5GB/30 日 $8.33、10GB/30 日 $14.14 (2026 年 9 月 25 日確認)
- Nomad — カンボジア eSIM — Metfone 接続、購入から 60 日以内に有効化、超過後 512kbps、データ専用
- esimdb — カンボジア eSIM 一覧 — Saily 価格の参考値 (2026 年 7 月 2 日時点)
最終更新日: 2026-09-25

