結論から言うと、チュニジアは「手続き」ではなく「お金」で現地 SIM が詰まる国です。チュニジア・ディナール (TND) は持ち込みも持ち出しも法律で禁じられた「閉じた通貨」で、出発前に現地通貨を用意することができません。現地 SIM はディナール建てで、しかもパスポート提示による本人登録が要る。つまり到着後に「入国審査 → 両替の列 → 通信会社カウンターでパスポート登録」を全部こなすまで、あなたはオフラインのままです。travel eSIM は日本にいるうちに日本のカードで買っておけるので、この順番を丸ごと飛ばせます。私 (sasapy) の線引きは2 週間までなら travel eSIM、1 ヶ月を超えるなら現地プリペイド。以下、通貨規制・電波・サハラの圏外区間・投稿の法規制まで、公的資料ベースで整理します。

チュニジアなら現地で SIM を買えばいいのでは?

買えます。ただディナールは持ち込み禁止の通貨なので、着いてから両替しないと支払い手段がまず無いんです。

え、空港でカードは使えないんですか?

両替所は使えますが、通信会社の窓口は現金ディナールが基本。しかもパスポート提示の登録が法律で要ります。

電波自体はちゃんと入るんですよね?

沿岸部は良好です。Ooredoo で人口カバー約 92%。ただこの国の人口は海沿いに偏っていて、内陸は別の話になります。

内陸って、サハラのツアーとかですか?

そうです。ドゥーズやシェビカのあたりは圏外区間が普通にあるので、オフライン地図の事前保存が要ります。
このページで分かること: 日本人がチュニジアで eSIM を使うときに私 (sasapy) が先に確認しているのは、(1) ディナールが持ち込み・持ち出し禁止の閉じた通貨であることが、現地 SIM 購入の手順にどう効いてくるか、(2) SIM のパスポート登録義務と、空港カウンターで実際にかかる時間、(3) Ooredoo / Orange / Tunisie Telecom の 3 社体制と、4G が B3 (1800) / B20 (800) 中心という端末側の条件、(4) 2025 年 2 月に始まった5G の実像と、Ookla の中央値がむしろ下がっている理由、(5) 「人口カバー率 92%」が隠すサハラ・オアシス周遊の圏外区間、(6) 容量別の実売価格 (クーポン適用後)、(7) 査証免除 90 日・ドローンは税関で没収・外貨申告という入国前の持ち物条件、(8) デクレ 54 (2022 年のサイバー犯罪令) があるため、SNS への投稿が EU 圏とは法的リスクの水準が違うこと、(9) 外務省の危険情報レベルと、圏外区間がどう重なるか——の 9 点です。
- チュニジアで eSIM を選ぶ理由は「手続き」ではなく「通貨」にある
- Ooredoo / Orange / Tunisie Telecom——3 社体制と 4G のバンド事情
- 2025 年 2 月に始まった 5G と、下がった Ookla 中央値の読み方
- 人口カバー率 92% が隠すもの——サハラで電波が消える区間
- 使用容量別の eSIM 料金比較 (2026 年 8 月時点・代表値)
- 推奨 eSIM 3 選——Saily / Nomad / esim4travel の使い分け
- チュニジア入国前の eSIM 設定手順 (iPhone / Android)
- 査証免除 90 日・ドローンは没収・投稿の法規制——入国前に知るべきこと
- よくある質問
- まとめ——チュニジア旅行に最適な eSIM の選び方
- 参考文献
チュニジアで eSIM を選ぶ理由は「手続き」ではなく「通貨」にある
本ページの開示: 本ページにはアフィリエイトリンクが含まれており、ご利用に応じて当サイトに収益が発生する場合があります。価格・制度情報は 2026 年 8 月時点で、私 sasapy がチュニジア中央銀行 (BCT)・電気通信規制庁 (INT)・外務省海外安全ホームページ・Ookla Speedtest Global Index・Freedom House・各通信事業者の公式発表などの公開資料から確認した値を主軸に整理しています。料金・規制は変動が速いため、購入前・渡航前に各社公式および公館の最新情報で最終確認してください。

他の国と何がそんなに違うんですか?

順番です。多くの国は「着いたら買える」。チュニジアは「両替してからでないと買えない」。ここが決定的に違います。
これまでこのサイトで扱ってきた国では、eSIM を勧める理由はだいたい 2 つに分かれていました。トルコやインドのように本人確認 (KYC) の手間が重い国か、オランダのように手続きは軽いが通信が止まると生活が止まる国か、です。チュニジアはそのどちらとも違う、第三の型です。ここでの障壁は通貨規制にあります。
ディナールは「事前に用意できない通貨」
チュニジア・ディナール (TND) は、チュニジア中央銀行 (Banque Centrale de Tunisie)が管理する非交換性通貨 (closed currency) です。国外への持ち出しも国外からの持ち込みも法律で禁じられており、違反は単なる没収ではなく刑事事件として扱われ得ます。日本の銀行や空港の両替所でディナールを扱っていないのは、店側の都合ではなくそもそも合法的に流通させられないからです。
この一点が、旅行者の到着後の動線をまるごと決めます。整理するとこうなります。
- ディナールは持って入国できない。したがって着陸した瞬間のあなたは、現地通貨をゼロで持っている状態から始まります。
- 外貨は持ち込めるが、2 万ディナール相当以上を持ち込む場合は税関申告が必要です (各国の在チュニジア公館が共通して案内している水準)。ユーロまたは米ドルの現金を持参し、空港・銀行・公認両替所でディナールに替えるのが基本動線になります。
- 両替の控え (レシート) は保管する。出国時に余ったディナールを外貨へ戻すには、原則としてこの控えの提示が要ります。戻せる金額にも上限があるため、「使い切る前提で少額ずつ両替する」のが実務的です。
- 現地 SIM の購入はディナール建て。空港の通信会社カウンターは基本的に現金ディナールで、つまり両替を済ませるまで SIM は買えません。
ここに本人登録が乗ります。チュニジアでは SIM の販売にあたって購入者の身元確認が求められ、旅行者はパスポート (またはその写し) の提示を求められます。Ooredoo / Orange / Tunisie Telecom いずれのカウンターでも同様で、チュニス・カルタゴ国際空港の観光客向けプランは15 ディナール前後で 3GB といった価格帯——単価だけ見れば非常に安い。安いのですが、そこに辿り着くまでの工程が長い。
入国審査 → 荷物 → 両替の列 → 通信会社カウンターでパスポート登録 → 開通。深夜着や、アルジェリア・リビアからの陸路流入が重なる夏のピークでは、この一連が 1 時間を超えることも珍しくありません。travel eSIM を日本で買っておけば、この行程は「機内モードを解除する」の 1 手に置き換わります。チュニジアで eSIM が効くのは、通信の速さではなくこの順番を飛ばせることです。
Ooredoo / Orange / Tunisie Telecom——3 社体制と 4G のバンド事情

どの会社の電波を掴むことになりますか?

Ooredoo・Orange・Tunisie Telecom の 3 社です。travel eSIM は通常このどれかにローミング接続されます。
チュニジアの移動体市場は 3 社です。電気通信規制庁 (INT: Instance Nationale des Télécommunications)が毎月「移動体電話の月次ダッシュボード」を公表しており、直近の集計ではおおよそ次の勢力図になっています。
- Ooredoo Tunisie: シェア約 44〜45%。カタール Ooredoo グループ傘下で、全国カバレッジは 3 社で最良とされ、4G の人口カバー率は約 92%。内陸・南部まで含めて選ぶなら第一候補になります。
- Tunisie Telecom (SNT): シェア約 29%。国営系の老舗で、かつての首位から徐々にシェアを落としています。固定回線・光との一体運用に強い一方、モバイル単体では他 2 社に押されています。
- Orange Tunisie: シェア約 26%。フランス Orange 系で、ハンマメット・スース・モナスティール・ジェルバといったリゾート帯で評価が高いのが特徴です。
契約数は1,500 万件超、人口普及率は120% を超えています。人口約 1,200 万人の国で回線が 1,500 万——つまり 2 台持ち・データ専用回線の併用が当たり前という市場です。この「飽和した市場」が、後述する速度低下の伏線になります。
端末側で見るべきバンド: B3 (1800) と B20 (800)
旅行者にとって実務的に重要なのは対応バンドです。チュニジアの 4G LTE は 3 社とも B3 (1800MHz) と B20 (800MHz) を軸に構成されています。欧州で一般的な B7 (2600MHz) や B1 (2100MHz) が主力ではない点が、日本の端末を持ち込む人には効いてきます。
- B3 (1800MHz): 都市部・リゾート帯の主力。容量を稼ぐ帯域で、チュニスやスースの市街地ではこれを掴みます。
- B20 (800MHz): 内陸・南部で生命線になる低い帯域です。電波が遠くまで届き建物にも入りやすいため、オアシスの町や幹線道路沿いはこの帯域が支えています。B20 非対応の端末は、内陸に入った途端に体感が悪化します。日本国内向けモデルには B20 非対応機が今も存在するので、出発前に必ず仕様を確認してください。
- 5G は n78 (3.5GHz) が中心。3 社とも 3.5GHz 帯で 100MHz 幅 (TDD) を割り当てられ、加えて 700MHz 帯を 5MHz ずつ、第 2 段階で 2.6GHz 帯を 60MHz ずつ確保する設計です。
なお travel eSIM は物理 SIM と違ってどの網に載るかを利用者が選べないのが通例です (事業者側のローミング契約で決まります)。サハラ方面へ深く入る旅程なら、購入前に提供事業者がどのチュニジア網を使うかを確認するか、複数事業者に接続できるプランを選ぶのが安全側の選択になります。
2025 年 2 月に始まった 5G と、下がった Ookla 中央値の読み方

5G が来たなら速くなったんですよね?

それが逆で、Ookla の中央値はむしろ下がりました。需要の伸びに設備が追いついていない、という分析です。
チュニジアの 5G は比較的最近の話です。2024 年 11 月 30 日に 3 社と政府が免許協定に署名し、2025 年 1 月 23 日に免許付与の政令が官報に掲載され、2025 年 2 月に商用サービスが開始されました。北アフリカでは決して早い方ではありませんが、3 社が足並みを揃えて立ち上げた点は珍しい形です。
ただし旅行者が期待値を上げすぎないほうがいい数字もあります。Ookla の Speedtest Global Indexによるチュニジアのモバイル中央値は約 57Mbps・世界 72 位という水準で、しかも前年より低下しています。低下の主因として指摘されているのは、需要の伸びに対して設備容量が追いついていないという構造的な問題です。5G の電波が届く場所は確かに速いのですが、国全体の中央値はそれとは別に動きます。
実務的な結論はシンプルで、「5G 対応」を理由に高いプランを選ぶ必要はチュニジアではほぼ無いということです。地図・SNS・メッセンジャー・ビデオ通話・テザリングは 4G で十分に実用的で、むしろB20 に対応しているかのほうが体感を左右します。アフリカ大陸の中ではモロッコ・南アフリカと並ぶ上位グループにいる国なので、沿岸部の体感自体は悪くありません。
人口カバー率 92% が隠すもの——サハラで電波が消える区間

カバー率 92% なら安心では?

その 92% は「人口」の 92% です。チュニジアは人口が海沿いに偏っているので、面積で見ると話が変わります。
通信事業者が公表する人口カバー率は、国土のうちどれだけの面積に電波が届くかではなく、国民の何%が電波の届く場所に住んでいるかを示す指標です。チュニジアは人口の大半が地中海沿岸とサヘル地方 (スース〜スファックス) に集中しているため、人口カバー率 92% は「南部の砂漠地帯がほぼ空白でも達成できる数字」になります。この差が最も露骨に出るのが、日本人にも人気のサハラ周遊ルートです。
圏外を想定しておくべき区間
- ドゥーズ (Douz) から先の砂漠: 「サハラの門」と呼ばれる町で、ラクダツアーや 4WD ツアーの起点です。町自体は圏内ですが、砂丘に入ると急速に弱くなります。
- ショット・エル・ジェリド (Chott el Djerid) の横断道路: 塩湖を貫く一本道で、周囲に基地局を置く理由がある集落がありません。通過に時間がかかるうえ、蜃気楼スポットとして停車する人も多い区間です。
- トズール〜シェビカ / タメルザ / ミデスの山岳オアシス: アルジェリア国境に近い山あいで、谷筋に入ると遮蔽で切れます。
- クサール・ギレン (Ksar Ghilane): 砂漠の中の温泉オアシス。到達手段が 4WD のみという立地で、通信も期待できません。
- マトマタ周辺の穴居住居: 起伏の大きい地形で、集落の間で切れる区間があります。

つまり事前に何をしておけばいいですか?

オフライン地図の保存と、ツアー会社との連絡手段の二重化です。電波が無い前提で予定を組んでおくのが安全です。
対策は 3 つです。第一にオフライン地図を出発前にダウンロードしておくこと (Google マップの範囲ダウンロード、または Maps.me / Organic Maps)。第二にツアーの集合場所・時刻・運転手の連絡先をスクリーンショットで持つこと。第三に、B20 対応端末を選ぶこと。上で書いたとおり、内陸で最後まで残るのは 800MHz です。なお緊急通報の190 (救急) / 197 (警察) / 198 (消防) は、圏内であれば SIM の契約状態にかかわらず発信できます。
使用容量別の eSIM 料金比較 (2026 年 8 月時点・代表値)
チュニジア向けに travel eSIM を選ぶときの、Saily / Nomad / esim4travel の定価とクーポン適用後の実売価格です。チュニジアはヨーロッパ地域プランには含まれないことが多い国です (北アフリカ / アフリカ地域プラン、または中東・アフリカ広域プランの扱いになります)。「ヨーロッパ周遊プランを買ったからチュニジアも使える」と思い込むのが典型的な失敗なので、購入時は必ず対象国一覧に Tunisia が含まれているかを確認してください。
データ容量プラン詳細 (定価 → クーポン後)
| 容量 / 有効期間 | Saily | Nomad | esim4travel (代表値) |
|---|---|---|---|
| 1 GB (7日) | $3.99 ※クーポン対象外 | $4.50 ※クーポン対象外 | $4.99 → $4.49 |
| 3 GB (30日) | $12.99 → $7.99 | $13.00 → $8.00 | $10.99 → $9.89 |
| 5 GB (30日) | $19.99 → $14.99 | $18.00 → $13.00 | $16.99 → $15.29 |
| 10 GB (30日) | $32.99 → $27.99 | $28.00 → $23.00 | $26.99 → $24.29 |
| 20 GB (30日) | $52.99 → $47.99 | $46.00 → $41.00 | $42.99 → $38.69 |
「定価 $X → クーポン後 $Y」表記の太字 $Y が実際の購入価格です。「※クーポン対象外」は定価が各社の最低クーポン利用金額に満たないケースを指します。いずれもチュニジア単独 or 北アフリカ・アフリカ地域プランの代表値で、実際の在庫・価格は各社公式が優先します。参考として、チュニジアの現地観光客向けプリペイドは15 ディナール前後で 3GB という水準で、日本円ならおおむね 700〜800 円。単価だけなら現地 SIM のほうが明確に安く、travel eSIM が買っているのは「両替とパスポート登録を挟まずに着陸直後からつながる時間」だと理解してください。
クーポンコード一覧 (2026 年 8 月時点有効)
- Saily: クーポン
CAIRNR6205で $5 OFF - Nomad: クーポン
ILEXBDNSXSBAで $5 OFF - esim4travel: クーポン
cairnroam(取得準備中)で 10% OFF
クーポン適用条件は各社公式 T&C に沿っています。Saily (公式 T&C) は定価 5.60 米ドル未満・初回購入のみ・併用不可、Nomad (公式 referral 規約) は定価 5 米ドル未満に適用不可。1GB のような少額プランはクーポン対象外になる点に注意してください。
推奨 eSIM 3 選——Saily / Nomad / esim4travel の使い分け

結局どれを選べばいいですか?

旅の形で決まります。沿岸のリゾート中心なら最安、サハラまで下るなら容量と安定重視です。
Saily——初めての eSIM、そして公共 Wi-Fi を避けたい人に
Saily は NordVPN を運営する Nord Security 系列で、本社は EU 域内のリトアニア・ヴィリニュスにあります。EU の事業者なので個人データの扱いに GDPR が適用され、アプリに広告・マルウェアブロックが標準装備されている点も実利があります。チュニジアのようにホテルやカフェの公共 Wi-Fi に頼りたくなる場面が多い国では、「自分の回線を持っている」こと自体が安全側に働きます。チュニス・シディブサイド・カルタゴ・スースを回る4〜7 日の沿岸旅なら 3GB か 5GB で足ります。
Nomad——サハラ周遊・長期滞在・テザリングに
Nomad は中〜大容量帯のコスパに強みがあります。チュニジアは南北に長く、移動距離がそのままデータ消費になる国です。チュニス → トズール → ドゥーズ → ジェルバと下る周遊では、圏外区間の前後で地図を再読み込みする回数が増え、想像より容量を食います。PC をテザリングで繋ぐ出張や 2 週間以上の滞在なら、10GB〜20GB 帯の単価差がそのまま効いてきます。
esim4travel——リゾート滞在で最安に振る
esim4travel は最安帯に振った選択肢です。ハンマメットやジェルバのリゾートに 4〜5 日こもり、地図とメッセンジャーが動けばいい——という割り切りなら 1GB〜3GB で十分です。写真や動画のアップロードはホテルの Wi-Fi に寄せる前提で、「足りなくなったら追加購入する」という運用が合います。
チュニジア入国前の eSIM 設定手順 (iPhone / Android)
eSIM は出発前に日本の安定した Wi-Fi でインストールまで済ませるのが鉄則です。現地に着いてから QR コードを読もうとすると、そのために通信が要るという循環に陥ります。チュニス・カルタゴ空港にも Wi-Fi はありますが、入国審査の列で使える保証はありません。「飛行機のドアが開いた瞬間にオンライン」を目標に準備してください。
- 出発前 (日本の Wi-Fi 環境で): 各社サイトでチュニジア単独 or 北アフリカ・アフリカ地域プランを購入し、対象国一覧に Tunisia があることを確認する。ヨーロッパ地域プランでは対象外のことが多い。
- 受け取った QR コードを、iPhone なら「設定 → モバイル通信 → eSIM を追加」、Android なら「設定 → ネットワークとインターネット → SIM → SIM のダウンロード」から読み込む。
- この時点では回線をオンにしない。プラン開始日が到着日になるよう、有効化のタイミングだけ現地で行う設定にしておく。
- 日本の回線を主回線、eSIM をデータ通信専用に指定し、「モバイルデータ通信の切替」をオフにする (日本回線でうっかり高額ローミングしないため)。
- 端末が B20 (800MHz) と B3 (1800MHz) に対応しているか、出発前に仕様表で確認する。内陸に入るなら B20 は必須級。
- 着陸後、機内モードを解除して eSIM をオンにする。Ooredoo / Orange / Tunisie Telecom のいずれかを掴んだことを確認する。
- サハラ方面へ行くなら、オフライン地図とツアー情報のスクリーンショットを出発前に保存しておく。
査証免除 90 日・ドローンは没収・投稿の法規制——入国前に知るべきこと

ビザは要りますか?

観光なら不要です。日本国籍は 90 日まで査証免除。ただし持ち込む機材と、現地での投稿には注意が要ります。
入国: 日本国籍者は観光目的であれば90 日まで査証免除で入国できます (旅券の残存有効期間に余裕を持たせてください)。チュニジアは 2025 年に1,100 万人超の外国人訪問者を迎え、観光収入は80 億ディナール超といずれも過去最高を更新しました。最大の送り出し国は隣国アルジェリアとリビアで、夏季は陸路国境が非常に混みます。空路で入る日本人には直接関係しませんが、7〜8 月の網の混雑という形で体感に効いてきます。
持ち込みで実際に止められるもの
- ドローンは事実上持ち込めません。飛行には内務省・国防省などの事前許可が要り、申請は現地で対面提出という運用のため、旅行者が取得するのは現実的ではありません。許可のないドローンはチュニス・ジェルバ・モナスティールの各空港の税関で没収されます。罰金は数千ドル規模に達し得ます。持って行かないのが唯一の正解です。
- 外貨は 2 万ディナール相当以上で申告義務。申告漏れは没収の対象になり得ます。
- ディナールの持ち込み・持ち出しは禁止。余ったディナールは出国前に使い切るか、両替の控えを持って再両替してください。
- 軍事施設・空港・港湾・警察関連の撮影は避ける。国境地域では特に厳格です。
- eSIM は「持ち込む物」がありません。これは地味ですが、税関でのやり取りが一つ減るという意味では確かな利点です。
SNS への投稿は EU 圏とリスク水準が違う
チュニジアは中国やイランのような大規模なネット遮断を行っている国ではありません。Google も Instagram も WhatsApp も通常どおり使え、旅行者が検閲回避のために VPN を必要とする場面は基本的にありません。ただし投稿の内容そのものについては、EU 圏や日本とは法的な前提が違います。
2022 年 9 月に発令されたデクレ 54 (情報通信システム関連犯罪に関する 2022 年第 54 号大統領令) は、オンラインでの「虚偽の情報・噂の流布」を犯罪として規定しています。ARTICLE 19 による条文分析によれば、第 24 条は最大 5 年の拘禁刑と 5 万ディナールの罰金を定め、公務員に関する言明の場合は刑が倍加されます。Freedom House の Freedom on the Netは、この法令の運用によりチュニジアのインターネット自由度が低下したと評価しています。
旅行者に対して実務上求められるのは、難しいことではありません。現地の政治・治安機関・公職者について断定的な批判をネットに書かない——それだけです。風景や食事の写真を上げることが問題になるわけではありません。ただ「日本と同じ感覚で政治的な投稿をしてよい国ではない」ことは、出発前に頭に入れておく価値があります。
外務省の危険情報レベルと、圏外区間の重なり
外務省 海外安全ホームページによれば、チュニジアの危険情報は地域で分かれています。カセリン県・シディブジッド県・ガフサ県の山岳地帯、アルジェリア/リビア国境付近、南部の軍事緩衝地帯はレベル 3 (渡航中止勧告)。ジェンドゥーバ県・ル・ケフ県および南部砂漠地帯の一部はレベル 2 (不要不急の渡航中止)。チュニス首都圏を含むその他の地域はレベル 1 (十分注意) です。
ここで注意したいのは、レベル 2 の「南部砂漠地帯の一部」と、前述の圏外区間が地理的に重なるという点です。電波が届かない場所は、同時に助けを呼びにくい場所でもあります。サハラ方面へ行くなら、実績のある旅行会社の手配で行き、宿泊先や日本の家族に日程を共有しておくこと。eSIM はあくまで「圏内にいる間の連絡手段」であって、圏外区間のリスクを消してくれるものではありません。米国務省も同様にアルジェリア・リビア国境から 16km 以内とカセリン県の山岳地帯を渡航禁止としており、各国の評価はおおむね一致しています。
よくある質問
チュニジアで現地 SIM を買うのに本人確認は必要ですか?
必要です。チュニジアでは SIM の販売時に購入者の身元確認が求められ、旅行者はパスポート (またはその写し) の提示を求められます。Ooredoo / Orange / Tunisie Telecom いずれの窓口でも同じです。それ以上に効いてくるのが支払い方法で、現地 SIM はディナール建てのため、両替を済ませていないとそもそも買えません。ディナールは持ち込みが禁止された通貨なので、事前に用意しておくこともできません。この二重の壁を飛ばせるのが travel eSIM です。
日本でチュニジア・ディナールに両替できますか?
できません。チュニジア・ディナールは持ち込みも持ち出しも禁じられた非交換性通貨で、日本国内で正規に入手する手段はありません。ユーロまたは米ドルの現金を持参し、現地の空港・銀行・公認両替所でディナールに替えてください。両替の控えは必ず保管します。出国時に余ったディナールを外貨へ戻すには控えの提示が要り、戻せる金額にも上限があるためです。「使い切る前提で、少額ずつ複数回に分けて両替する」のが実務的な運用です。
チュニジアではクレジットカードは使えますか?
国際ホテル・大型レストラン・都市部の主要店舗では使えますが、現金主義の国です。メディナ (旧市街) の商店、タクシー、地方の食堂、ツアーのチップなどは現金のみと考えてください。ATM は銀行と郵便局 (La Poste) の網が全国にあり、Visa / Mastercard の国際デビットが使えます。ただし南部やオアシスの町では ATM の現金切れが起こり得るので、サハラ方面へ下る前に沿岸部で十分な現金を確保しておくのが安全です。
日本のキャリアで買ったスマホでも使えますか?
eSIM 対応機 (iPhone XS 以降、Pixel 6 以降、Galaxy S20 以降など) で、SIM ロックが解除されていれば使えます。チュニジア固有の注意点は対応バンドです。4G は B3 (1800MHz) と B20 (800MHz) が軸で、とくに内陸・南部では B20 が生命線になります。日本国内向けモデルには B20 非対応機が今も存在するため、サハラ方面へ行く予定があるなら出発前に仕様表で必ず確認してください。5G は n78 (3.5GHz) が中心です。
チュニジアで VPN は必要ですか?
検閲回避という意味では必要ありません。チュニジアは大規模なサイト遮断を行っておらず、Google・Instagram・WhatsApp・LINE などは通常どおり使えます。VPN が有用なのは、ホテルやカフェの公共 Wi-Fi を使わざるを得ない場面での通信保護です。むしろ注意すべきは投稿内容のほうで、2022 年のデクレ 54 はオンラインでの「虚偽の情報の流布」に最大 5 年の拘禁刑と 5 万ディナールの罰金を定め、公務員に関する言明では刑が倍加されます。政治的な断定投稿は避けてください。
サハラツアー中も通信はつながりますか?
つながらない区間があります。事業者が公表する人口カバー率 92% は「国民の 92% が電波の届く場所に住んでいる」という意味で、チュニジアは人口が沿岸部に偏っているため、南部の砂漠地帯は面積で見ると空白が広く残ります。ドゥーズから先の砂丘、ショット・エル・ジェリドの横断道路、クサール・ギレン、トズール周辺の山岳オアシスは圏外を前提にしてください。オフライン地図の事前ダウンロードと、ツアーの集合情報のスクリーンショット保存が実務的な対策です。
どの eSIM がチュニジアでおすすめですか?
沿岸の都市・リゾート中心の短期旅行で、初めての eSIM なら Saily (クーポン CAIRNR6205 で $5 OFF)、サハラまで下る周遊や長期滞在・テザリング多用なら Nomad (クーポン ILEXBDNSXSBA で $5 OFF)、リゾートに数日こもる最安割り切りなら esim4travel (クーポン cairnroam で 10% OFF) が基準になります。いずれも購入前に、対象国一覧に Tunisia が含まれているかを必ず確認してください。ヨーロッパ地域プランにチュニジアは含まれないことが多く、ここが最も多い買い間違いです。
まとめ——チュニジア旅行に最適な eSIM の選び方
チュニジアは「手続きの国」でも「速度の国」でもなく、「通貨の国」です。ディナールが持ち込み禁止の閉じた通貨である以上、現地 SIM を買うには着陸 → 両替 → パスポート登録という順番を必ず通らなければなりません。travel eSIM が省いているのは、この順番そのものです。そのうえで押さえるべきはB20 (800MHz) 対応、ヨーロッパ地域プランには含まれないという 2 点、そしてサハラの圏外区間を前提に予定を組むことです。
- 沿岸都市・リゾート中心の短期、初めての eSIM: Saily (
CAIRNR6205で $5 OFF) - サハラ周遊・長期滞在・テザリング多用: Nomad (
ILEXBDNSXSBAで $5 OFF) - リゾートに数日こもる最安割り切り: esim4travel (
cairnroamで 10% OFF) - 1 ヶ月以上の滞在: 両替とパスポート登録を済ませたうえで Ooredoo の現地プリペイド (カバレッジ最良)
5G の展開と 2.6GHz 帯の第 2 段階割り当てが進めば、この国の体感は今後変わっていく可能性があります。本ページは INT および各社の発表が動き次第、更新していきます。
参考文献
- INT (Instance Nationale des Télécommunications / チュニジア電気通信規制庁) — 移動体電話の月次ダッシュボード。事業者別シェア、契約数、普及率の一次統計
- Banque Centrale de Tunisie (チュニジア中央銀行) — 為替管理制度とディナールの非交換性に関する一次情報
- Ookla Speedtest Global Index — Tunisia — モバイル中央値 約 57Mbps・世界 72 位、および前年比での低下
- Ericsson — Tunisie Telecom and Ericsson successfully launch 5G in Tunisia — 2025 年 2 月の 5G 商用開始
- ARTICLE 19 — Tunisia: Analysis of Decree-Law No. 54 of 2022 — 第 24 条の最大 5 年拘禁刑・5 万ディナール罰金、公務員に関する言明での刑の倍加
- Freedom House — Tunisia: Freedom on the Net — デクレ 54 の運用とインターネット自由度の評価
- 外務省 海外安全ホームページ — チュニジア — 県別の危険情報レベル (レベル 1〜3) の一次情報
- 外務省 — 査証免除国・地域 (短期滞在) — 日本国籍者の査証免除の範囲
- U.S. Department of State — Tunisia Travel Advisory — レベル 2、および国境 16km 圏・カセリン県山岳地帯のレベル 4 指定
- Ooredoo Tunisie 公式 — 全国カバレッジと 4G 人口カバー率、観光客向けプランの一次情報
- Orange Tunisie 公式 — リゾート帯のカバレッジと eSIM の取り扱い
- Tunisie Telecom 公式 — 国営系事業者のサービスとカバレッジ
最終更新日: 2026-08-24

